IAEAが、福島第一原発の処理水放出の進捗について報告
IAEA・国際原子力機関は、日本の福島第一原発の処理水放出作業について、「計画通りに進んでいる」とする報告を発表しました。
24日から27日の日程で、イギリス、韓国、中国など11カ国の専門家からなるIAEA調査団が来日し、福島第一原発を視察しました。この調査団は今年初めにも来日していました。
調査団は今回の視察に関して「処理水放出は計画通りに技術的問題もなく進んでいる」とする報告をまとめました。
また、「処理水放出が続く間は、福島第一原発に常駐するIAEA職員とともに視察を続けていく」としました。
その一方で、調査団が来日していた25日に、福島第一原発で処理水放出に使用されている多核種除去設備(ALPS)の配管を洗浄していた作業員5人に汚染水がかかる事故がありました。
作業員5人は25日午前10時40分ごろ、汚染水が通る配管に硝酸液を流して洗浄していました。その際、廃液をタンクに流すためのホースが抜け、約100ミリリットルの廃液が飛び散ったということです。
この事故で、5人のうち4人から放射性物質による汚染が確認され、そのうち20代と40代の2人は原発敷地内での除染を経ても基準値(1平方センチあたり4ベクレル)を下回らなかったため、同日夜に福島県立医大病院に入院しました。この2人は作業時に着用が定められていたかっぱを着ていなかったということです。
東京新聞によると、20代男性の外部被ばく線量はベータ線で6.6ミリシーベルト、40代男性は1.6ミリシーベルトでした。いずれも体内への放射性物質の取り込みは確認されず、体調不良も訴えていないということです。病院側は2週間ほど様子をみるとしています。