群馬の森「朝鮮人労働者追悼碑」の撤去工事が開始
群馬県高崎市にある「朝鮮人労働者の追悼碑」の撤去工事が開始されました。
日本の報道各社によりますと、群馬県は29日月曜、高崎市の県立公園「群馬の森」に市民団体が設置した朝鮮人労働者の追悼碑の撤去工事を開始しました。
これは、県が設置許可を更新せず後継の市民団体に撤去を求めたものの、応じなかったため、行政代執行した形となっています。
この追悼碑は2004年に「政治的行事を行わない」という条件で県の許可を受け、日本による植民地時代に徴用された朝鮮半島出身者を追悼するため、市民団体が県立公園「群馬の森」に設置しました。
しかし、その後開かれた追悼式で出席者が「強制連行の事実を訴え、正しい歴史認識を持てるようにしたい」などと発言したことを理由に県は2014年に設置許可を更新せず、撤去を求めていました。
これについて碑を管理する後継の市民団体が適法性を争った訴訟は最高裁まで争われ、2022年に敗訴が確定しました。
今回の撤去工事に伴い群馬の森は2月11日まで閉鎖されます。
なお、この問題について林芳正官房長官は同日の記者会見で、山本一太・群馬県知事による朝鮮人労働者追悼碑の撤去への受け止めを聞かれましたが、論評を避けました。
その上で、「設置者が条件に違反する行為を繰り返したことで不許可になったと聞いている」と指摘しています。
「群馬の森」の追悼碑撤去を巡っては、「植民地時代に朝鮮人労働者が過酷な労働を強いられて犠牲になった歴史を消し去る動きだ」として市民団体などが批判しています。
また、韓国ヨンハプ通信によりますと、韓国外務省当局者はこの問題について「両国の友好関係を阻害しない方向で解決できることを期待している」との立場を改めて示しました。