OPEC事務局長、「イランは石油市場の安定に重要な役割」
OPEC・石油輸出国機構のハイサム・アルガイス事務局長は、イランをOPECの重要な設立メンバーのひとつとし、石油市場の安定において重要な役割を負っていると述べました。
クウェートのアルラーイ紙によりますと、OPECのアルガイス新事務局長は、「イランとベネズエラは、OPEC創立メンバーで最も重要な国々であり、石油市場の安定において極めて重要な役割を負っている。OPECの強みは、その一貫性と、世界情勢がどのように変化しようとも加盟各国が結束していることだ」と述べました。
その上で、「OPECが常に世界に言っているのは、石油関連の投資が減ることは、石油価格の上昇につながるということだ。現在の日量1億バレルの生産を維持するには、年間5000億ドルの投資が必要だ」としました。
そして、「最近の原油価格上昇は、ウクライナ危機だけによるものではなく、過剰生産能力の減少によるものでもある。需要が回復し、製油施設への投資減少および製油所の休止となった場合、石油価格上昇の要因となる」としました。
続けて、「世界は25年後の将来を見据えて、12兆ドルの石油関連投資をする必要がある。我々は、今年の石油需要が日量340万バレル増加することを期待している」と述べました。
アルガイス事務局長は、「ロンドンやニューヨークの取引市場が、北海ブレントやウェスト・テキサス・インターミディエイトといった銘柄の石油価格を決めており、OPECではない。さらに、欧州、アジア、アメリカといった一部の石油消費国が、石油価格抑制のため自らの戦略的備蓄備蓄を解放している」と語りました。
また、OPECは再生可能・クリーンエネルギーを歓迎しているとしつつ、石油やガスは主要エネルギーとして存続すると述べ、「我々には、世界のエネルギー需要を満たす解決策に至るため、全員が参加するロードマップが必要だ」としました。
アルガイス事務局長は、今月3日から始まるOPECプラスの会合で議長を務めます。アメリカが増産を求める中、加盟各国はこの会合で来る9月の生産量を現在の水準に据え置くかどうかについて話し合います。