イスラム革命の勝利とイランにおける宗教的民主主義の理想実現

2月 03, 2024 18:37 Asia/Tokyo

イランのイスラム革命

1979年のイスラム革命においてイラン国民が目指した主要な理想の一つは、自由および国運決定への参加であり、これらはスローガンの中でも頻繁に繰り返されました。

圧政的なパフラヴィー王朝政権時代、イラン国民は閉塞感や基本的自由の抑圧を全身で感じており、自らの権利が尊重されることや民主主義に基づく政府を希求していました。一方、人心を集めていたイスラム革命の偉大なる指導者ホメイニー師は、自らを国民への奉仕者だとしており、この革命運動の勝利に国民が積極的に参加することの効果を熟知していただけでなく、国民の意志や要求、そして自らの運命を決定する彼らの権利の重要性も強調していました。

現在、ホメイニー師の正当な後継者であるハーメネイー師はこれに関して、「ホメイニー師は闘争の旗を国民に手渡した」と語っていますが、現実は、まさにこの発言の通りであり、旧政権のパフラヴィー王朝との戦いに国民が統一性をもって大々的な参加をしたことが、この抑圧的な政権の打倒を成功させたのです。世界のさまざまな革命の指導者は大抵、自らの目指す運動の勝利後、次第に過去の約束を忘れて市民を二の次にし、市民に害を与えるような、自分のやり方を推し進めはじめます。これに対して、反王政運動としての革命の勝利およびその歩みの継続において国民が大きな役割を果たすことを確信していたホメイニー師は、1979年2月のイラン・イスラム革命勝利後、その後の政体の在り方・種類を決めるため、国民投票の実施を命じました。この国民投票では、実に参加者の98％以上が、革命およびイスラム的理想に基づいた「イスラム共和制」政府の樹立を望んだのです。

イラン国民はその数カ月後、もう１つの国民投票で、議員らが起草した憲法を承認しました。この憲法の序文では、「本憲法は、思想・社会的専制と経済的独占の一切を拒否することを保証する。また、専制主義体制を断ち切り、国民の運命を彼ら自身の手に委ねる一線を守るために尽力する」と明記されています。イラン・イスラム共和国憲法の原則にはさらに、この流れに沿って、意見の表明、集会の開催、出版物の出版等に関する国民の権利と自由も盛り込まれています。

イラン国民は現在、革命のこのような成果を活用して、様々な集会において、政治・文化的な抗議や批判、および組合単位の見解を、体制責任者に伝えています。さらに、様々な見解や視点をインターネットやバーチャル空間で表現する幅広い自由も存在します。

民主主義および自己の運命における国民の参加をイランで体現している重要な事柄の 1 つは、自由で公正な選挙の実施です。イラン・イスラム共和国憲法の原則に基づき、また、体制責任者たち、特に故ホメイニー師と現最高指導者のハーメネイー師が、国民の自己の運命における自由な参加を強調したことに基づき、イラン国民は、現在までの数々の選挙の中で、自国における積極的かつ情熱的な存在感を示してきました。そして現在、大統領、国民の代表である国会議員、市議会議員、そして最高指導者の業績を監視・査定する責任を負う専門家会議のメンバーは、国民の投票と意見によって選出されています。

しかし、イランを統治する民主主義についての重要な点は、それがあくまでもイスラムに即した宗教的なものであるということです。これに関しては、イラン憲法第56条に「世界と人間に対する絶対的主権は神に属するもので、神は人間をその社会的運命の支配者とされた...」と明記されています。言い換えれば、イスラムでは、自由と選択の権利は神によって人間に与えらたもので、神が自らの無限の叡智と知識によってその範囲を定めているとされており、人間はそのために、これらの神聖な制限の枠組みの中で進歩発展の正しい道を選択できているのです。

イランにおける民主主義は、統治者の選択に国民が果たす重要な役割をその視点に持つイスラム教の革新的な教えに由来するものです。これについてハーメネイー師は、「我々は、ある新しい経験をもたらした。我々は、宗教から民主主義を取り出した。我々の民主主義は、精神性や宗教を伴うものである。そのために、宗教的民主主義、ひいてはイスラム共和制となったのだ」と述べています。

このような体制を享受しているイラン国民は、自らが信じるイスラム的な価値観や決まりの枠組みにおいて選挙で投票を行い、当局者に対しても、これらの基準に従うことを期待しています。

このように、イランのイスラム教徒市民が革命において最も重要な目標の一つとしていた事柄、つまり、自由および自らの運命を掌握することは、イスラム共和制および宗教的民主主義の統治が確立したことによって最も素晴らしいかたちで具現され、イラン国民に対し、信頼でき専門知識のある代表者を自由に選ぶ行為を通じて健全な社会と豊かな国を構築できる機会を与えたのです。

ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。