無実のイラン人収監者に対するスウェーデンの非人道的対応
スウェーデンで不当に拘束されたイラン人ハミード・ヌーリー氏をめぐっては、拘束当初から不可解な出来事が続きました。
【ParsToday国際】ハミード・ヌーリー氏は2019年11月9日、スウェーデン・ストックホルムの空港に降り立ったところ警察に逮捕され、今月15日、およそ4年半ぶりに釈放され、イランに帰国しました。ヌーリー氏の逮捕・収監は違法で、イランに圧力をかける政治的動機にもとづくものでした。ここでは、ヌーリー氏逮捕をめぐる不可解な出来事を見ていきます。
1.世界最長の独房収監
ヌーリー氏は1680日・4万320時間にわたって独房に収監されました。これは世界で最も長いものです。
2.家族との連絡禁止
ヌーリー氏は逮捕から最初の8カ月は家族との連絡を一切禁止されました。これも世界で類を見ない事例です。
3.刑務所内での制限
ヌーリー氏は収監中、家族との定期的な電話連絡・面会を許されず、通訳もあてがわれませんでした。
4.医療ケアの欠如
ヌーリー氏は収監中、医師による健康診断を一切受けられませんでした。収監中にはコロナに感染したり、足を骨折したりもしていました。
5.一方的な裁判
ヌーリー氏の公判は90回以上開かれ、イラン反体制テロ組織のMKOから65人の証人がヌーリー氏の容疑を証言しましたが、ヌーリー氏が自分の弁護のために証人を呼ぶことは許されませんでした。
6.無関係な事件
MKOのメンバーは英国で別のイラン人に対する訴訟を準備していましたが、スウェーデンの裁判所はこれに介入し、ヌーリー氏に対して無関係の判決を言い渡しました。
7.警察の暴力的対応
スウェーデン警察は、ヌーリー氏が自らの起訴状を読んでいたところ、これを無理矢理取り上げ、ヌーリー氏を激しく暴行しました。その程度はヌーリー氏の携帯電話が損傷するほどだったといいます。
8.ヌーリー氏を欺いた警察
スウェーデン警察はヌーリー氏を勾留していた際、、ペルシア語が話せるイラン系の警官を担当にあて、ヌーリー氏が話した内容を証拠として裁判所に提出しました。
9.不可解な証拠
スウェーデン検察はヌーリー氏を有罪とするための証拠として、当時のイランのロウハーニー大統領から全国民宛てに送られた新年を祝うSMSメッセージを取り上げ、これがヌーリー氏の携帯電話にも保存されていたとして、ヌーリー氏がイランにおいて特別な地位にあると主張しました。
10.ヌーリー氏の釈放で落胆しているのは?
ヌーリー氏の起訴にむけてあらゆる資源を投入したMKOと、ヌーリー氏の疑惑を捏造したイラン反体制活動家イーラジ・メスダーギー氏は、今回のヌーリー氏の釈放で最も落胆している人物です。