イランとサウジの関係深化への決意:サウジアラビアのペルシャ湾海軍演習への招待
サウジアラビア軍のファイヤド・ビン・ハメド・アル・ルワイリ参謀総長が10日日曜、同国軍高等代表団を率いてテヘランを訪問し、イランのバーゲリー合同参謀本部議長と会談しました。
【ParsTodayイラン】イランとサウジの関係は2023年3月から新たな時代に入っており、両国は7年間の緊張を経て発展に向けた歩みに転換しました。両国間関係を発展させるというイランとサウジの決意の表れの一つは、両国の当事者間で行われる外交訪問であり、イランとサウジの政治当局者はサウジ首都リヤドとテヘランを訪問し合い、地域の発展や二国間関係について会談・協議しています。
イランとサウジの当局者らは、過去2か月間で数回にわたり外交訪問を行いました。実際、イランのアラーグチー外相が10月初旬にリヤドを訪問し、サウジ外相及び同国のムハンマド皇太子と会談しています。
さらに、ガリーブアーバ―ディ法務・国際問題担当外務次官も、ここ最近サウジを訪問しました。他にも、アーレフ第一副大統領とアラーグチー外相が10日日曜にサウジを訪問しました。
ペゼシュキヤーン大統領も9日、ムハンマド皇太子と電話会談し、サウジとの二国間関係と地域協力を拡大したいというイランの意向を強調しています。
ムハンマド皇太子もこの電話会談で「イラン・サウジ関係は歴史的な転換点にあり、これがあらゆる分野で最高レベルに引き上げられるよう望んでいる」と語りました。
重要な点は、両国の軍当局者の往来は政治・外交的会合とは異なり、それほど頻繁ではないため、この時期のサウジ参謀総長のテヘラン訪問の重要性は何倍にもなる可能性があるということです。
これは、イラン・サウジ関係が重要な軌道に乗っており、他国の出来事や西アジア地域の現在の情勢不安の影響を受けていないことを示すものです。ちなみに、この会談の数日前には、米大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利し、再度のホワイトハウス入りを目前に控えています。トランプ氏が前回在任中だった時代、イランとサウジの関係は非常に緊迫化していました。
報道各社はイラン・サウジ両軍の参謀総長間の会談の詳細をそれほど大きくは報じていませんが、一部のメディアによると、サウジ側が来年ペルシャ湾で実施されるイラン海軍軍事演習に参加もしくは、オブザーバー参加することに関心を持っていると伝えたということです。
イラン・サウジ当局者間の外交会談や一連の声明からは、両国が二国間関係の深化を最優先事項として考慮していることがうかがえます。
ドイツ国際放送ドイチェ・ヴェレのウェブサイトは、イラン・サウジ間の関係回復の過程に触れ、「2023年に中国の仲介によりイラン・サウジの国交正常化合意が成立した後、地域的ライバルの関係にあるこの両国は現在、絆を深めたいと望んでいる」と報じました。
地域発展に重要な役割を担うイランとサウジが関係を深めることが、パレスチナ問題を含む現在の危機を解決する上で非常に重要となり得ることは、もはや一目瞭然だといえるでしょう。