イラン最高指導者「核合意の経験は、対米交渉では問題が解決されないことを示している」

イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師は7日、イラン暦1357年バフマン月19日（1979年2月8日）に当時の王制下にあった空軍隊員が革命の創始者ホメイニー師に忠誠を誓った歴史的な記念日にあたって、現在のイラン空軍と対空防衛部隊の司令官および隊員らと面会し、「アメリカとの交渉は、賢明でもなく名誉なことでもない」と語りました。

【ParsTodayイラン】 ハーメネイー師はこの面会において、歴史に残るこの日を「誇り高く、独立し、アイデンティティある軍隊が誕生した日」だとし、2010年代の約2年間にも及んだ核問題をめぐる対米交渉という無益な経験および、米国の約束違反の全てに言及し、「アメリカとの交渉は、経済や生活上の困難を含め何の問題解決にもならない。実際、これまでにも対米交渉では何も解決されていない。したがって、問題の解決策は『約束を守る当局者の努力と団結した国民の同調』にあり、神の意志があれば、我々はバフマン月22日（＝革命記念日・今年は2月12日）に、この団結と共感を目にすることになるだろう」と述べました。

ハーメネイー師は、イラン外務省が世界各国との交渉、往来、協定締結の分野で懸命に取り組んでいることを指摘し、「この点における唯一の例外は米国だ。もっとも、イスラエルは例外ではない。なぜなら、この政権は本質的には政府ではなく、他者の土地を奪う犯罪組織だからである」と語りました。

そして、アメリカが交渉から除外される理由を次のように語りました。

交渉のテーブルに着けば、例えばこの問題が解決するなどと主張する者もいるが、我々が正しく理解すべきことは、アメリカと交渉しても国の問題解決には何ら影響しないという現実である

さらに、2013年から2015年にかけてのイラン核合意締結のための米国および他の数カ国との約2年間の交渉を引き合いに出し、「対米交渉が無益であることの証拠だ」とし、次のように付け加えました。

当時の我が国の政府は相手方と協議の場を設け、往来、交渉し、談笑し、握手をして仲間となり、あらゆることを行い、そして1つの合意が締結された。その中でイラン側は寛大な立場をとり相手側に相当な譲歩をしたが、アメリカはその合意内容を履行しなかった

ハーメネイー師はその上で、トランプ米大統領が第1次政権時の2018年に核合意を破棄したことについて、次のように指摘しました。

トランプ氏以前の米国政権は核合意を受け入れたものの、その内容を実行せず、解除されるはずだった我が国に対する制裁は解除されず、国連問題は未解決のまま残り、常にイランに対する災厄の示唆・脅威であり続けた

また、世界地図を塗り変えようとするアメリカの工作にも言及し、次のように述べました。

彼らの行動には現実味がなく、単なる机上の空論に過ぎない。その一方で、もっともらしく我々についてあれこれ意見し、発言し、脅迫してくる

ハーメネイー師はその上で、次のように強調しました。

もし彼らが我々を脅迫するなら、我々も彼らを脅迫し、彼らが脅迫から実際の行動に出れば、我々も行動に出る。また相手側が我が国の安全を攻撃するなら、我々も躊躇することなく彼らの安全を攻撃する

ハーメネイー師は、国防が最優先事項であり、軍の強化が最も重要な任務であるとし、以下のように語りました。

イラン・イスラム共和国軍は、人員、武器、訓練、戦闘および防衛準備、弱点や予想される弊害の克服、イニシアチブの継続、日々の革新的な装備の創出においてさらに強化され、もっと大きな偉業が達成可能なことを証明する必要がある

*1979年2月8日、当時のイラン王政空軍の一団がテヘランのアラヴィ高校でホメイニー師と会談し、パレードを開催して同師への忠誠を正式表明しました。この会談と忠誠の誓いは、アメリカの政策に従属していた旧パフラヴィー王朝政権に打撃を与えました。最終的に、イラン・イスラム革命はこの会談の3日後、1979年2月11日（イラン暦1357年バフマン月22日）に勝利を収めました。

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