制裁をものともしないイランの石油産業:中国向け輸出で記録更新
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制裁をものともしないイランの石油産業:中国向け輸出で記録更新
複数のデータから、イランの中国向け原油輸出量が1日当たり180万バレル以上という前例のない増加を示したことが明らかになりました。
【ParsTodayイラン】通商関係者やアナリストのデータによると、先月の中国のイラン産原油輸入が著しく増加しました。
船舶追跡データを提供するVortexaによれば、先月の中国によるイランからの原油輸入量は日量180万バレルを超え、過去最高を記録しました。
この増加は、中国山東省の石油精製会社「Shandong Yulong Petrochemical Co., Ltd.」の在庫水準が上昇している時期と一致しています。
一方、ベルギーのデータ分析企業ケプラーのデータによれば、3月のイランの中国向け原油輸出量は1日あたり171万バレルで、その前月に記録した1日あたり143万バレルから20%増加し、過去5カ月で最高となりました。
イランの中国向け原油輸出量を追跡している他の2つの貿易情報筋も、同月の中国によるイラン産原油の輸入量をそれぞれ日量167万バレルおよび180万バレルと推定しています。
ケプラーのデータによれば、先月に中国が海上ルートで輸入した原油全体量のうち、16%がイラン産でした。
Vortexaや中国を拠点とする石油精製関係筋は、貿易業者や精製業者がサプライチェーンのさらなる混乱を懸念しているため、実際にはイラン産原油の輸入はさらに増えていると見ています。
Vertexaの報告によると、山東省における先月の原油の地上備蓄総量は2月に比べて2200万バレル増加しており、これはイランからの輸入が増加した時期と一致しています。なお、備蓄量の増加は1カ月間で記録的な数字となり、その保管場所は山東省の港湾に集中しています。