イラン、印・パキスタン間の和平の仲介役、外務省報道官:「シオニストの存在はどの国にとっても不吉」
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イラン外務省のエスマーイール・バガーイー報道官
バガーイー・イラン外務省報道官が「アメリカ協議団の公式の立場表明は我々にとって重要であり、彼らが自身の一貫性を保ち理にかなった的な立場をとるかどうかは彼ら次第だ」と語りました。
バガーイー報道官は5日月曜の記者会見で、アラーグチー・イラン外相のパキスタン訪問について、「我が国はパキスタンと緊密な関係を有しており、イラン外相のパキスタン訪問は、イランが近隣諸国と継続的かつ緊密に協議する枠組み内でのものである」と述べています。
【ParsTodayイラン】バガーイー報道官は「アラーグチ―外相とパキスタン外相との会談の議題となるのは地域問題、特にパレスチナ占領、レバノン、シリア関連の問題、そして西アジアが直面している問題だろう。また、パキスタンの首相および大統領とも会談が予定されている」とコメントしました。
また、イラン外相のインド訪問に言及し、「アラーグチー外相のインド訪問は両国による合同経済委員会の会合への出席を目的に計画されており、数日中に行われる予定だ。同外相のパキスタン訪問は4日に終了し、8日木曜にはインドへ出発する予定になっている」と語っています。
フランスの立場を批判
バガーイー報道官はまた、フランス外相の発言および、イランに対する同国の悪質な警察の関与について、「我々はフランスと他の欧州諸国に対し、いかなる協議プロセスにおいても建設的な役割を果たすよう呼びかける。フランスが表明した立場表明の一部には根拠がなく、国際法に反するものも散見される。交渉と全く関係のない要求や問題点を提起することは、何の助けにもならない」と述べました。
平和目的による核保有権はイランの譲れない一線
バガーイー報道官は、イランの核施設の撤去に関するトランプ大統領の発言に関して、「米国との間接協議の根拠となった我々の立場と原則的な枠組みは不変である。このため、それに基づいて交渉する」としました。さらに「核の平和利用というイラン国民の権利に関する我が国の原則的な立場は、論理と国際法に基づき一貫している。条約の加盟国でありながら、その義務を履行するだけというわけにはいかない。イランの核計画は1960年代にまで遡る非常に深いルーツを有している」と語っています。
交渉中止の理由
さらに、「シオニスト政権イスラエルのネタニヤフ首相が、国家安全保障問題担当大統領補佐官を含む対イラン政策の要人を通じて、トランプ大統領に対する一種のクーデターを計画し、実行しているかどうか」という質問に答え、「交渉延期の決定は、三者間の交渉と理解のための仲介役としてのオマーンの提案によりなされた。我々は、数多くの報道を耳にしている。イスラエルを中心とする米国内外の好戦的かつ反外交的な勢力はここ数週間、この交渉プロセスの妨害を狙い並外れた努力を行ってきた。しかし、我々にとって重要なのは、米国協議団の公式の立場である。自身の中でこの一貫性をどのように確立し、合理的、論理的、現実的な立場をとれるかは彼ら次第である」と述べました。
イスラエル高官は忌まわしい存在
そして、ネタニヤフ首相がアゼルバイジャン共和国への訪問を取りやめたことに言及し、「イスラエル当局者がどの国を訪問しても、それは間違いなく不吉で忌まわしいことだ。この占領政権はパレスチナに対して最も重大な犯罪を引き起こしたとして非難されており、世界中のすべての人々がこれらの犯罪に胸を痛めている。我々はメディアも追跡しており、各国がどの政府高官を招待するかについては慎重になるだろうと確信している。この点に関しては、世界全体が一致団結して行動し、犯罪の常態化を防ぐ必要がある」としています。
欧州3カ国との交渉準備あり
バガーイー報道官はまた、イタリア首都ローマで予定されていたイランと欧州3カ国(英国、フランス、ドイツ)の政治指導者との会談が中止されたことに関して、「言葉のやり取りはなく、具体的なメッセージもなかった。これは単に物流、運営上の問題によるものである。この会談は当初、イランと米国による欧州での間接協議と並行して開催されることになっていたもので、関係者の合意があれば、我々は改めて会談を行う用意がある」と語りました。
戦略的パートナー
加えて、イラン・ロシア間の戦略条約に関しては、「ロシアと我が国の戦略的パートナーシップ協定は真剣に検討されている。我々の側からも、迅速に段階手順を追求した。この条約を批准するための法案は、しばらく前にイラン外務省から大統領府に送られ、現在、法的承認手続き中である」と述べています。
トリガーメカニズムは発動するか?
また、核合意内のトリガーメカニズム(国連安保理決議による対イラン制裁復活を可能にする規定)に関して、「イランの核活動はあくまで平和的であるため、トリガーメカニズムを発動させる理由や法的根拠はない。一部の当事者がこの手段を悪用し、安保理での立場を悪用し交渉で有利な点を得ようと狙っている事実は、我々の見解では容認できないものであり、この問題を利用した結果は間違いなく相手側に及ぶことになるだろう」としました。
BRICS会合
そして、ブラジルでのBRICS新興経済国グループ会合とイラン当局者の出席について、「この会合では、南南協力(開発における途上国間の協力)の拡大や発展途上国間の関係強化など、重要な議題が取り上げられた。グループ会合も開催されている。BRICSに関しては、国連憲章に基づくこの組織自体が、紛争解決のための地域的取り決めの創設を義務付け、国際規範を強化する存在である」と語っています。
インド・パキスタン紛争
バガーイー報道官は最後に、パキスタン・インド間の紛争に関しても「我が国として両国間の情勢を鎮静化させるためにあらゆる努力を惜しまない」と述べました。