イラン大統領「中立性を欠いたIAEAに留まる意義はない」
(last modified Thu, 10 Jul 2025 11:56:03 GMT )
7月 10, 2025 20:56 Asia/Tokyo
  • イランのペゼシュキヤーン大統領
    イランのペゼシュキヤーン大統領

イランのペゼシュキヤーン大統領は、同国がこれまで国際原子力機関(IAEA)と積極的に協力してきた実績を強調し、今後の協力継続の可否について「IAEAが自らのダブルスタンダードな姿勢を改めるかに懸かっている」と述べました。

【ParsTodayイラン】ペゼシュキヤーン大統領は9日、欧州理事会のアントニオ・コスタ議長と電話会談し、イスラエルによるイラン攻撃やイラン・EU関係の展望などについて、意見交換しました。

ペゼシュキヤーン大統領はこの中で、イラン政府の基本的な立場を説明し、世界との建設的な交流と効果的な対話の道を歩んでいることを強調しました。また、イランが地域および国際的な平和、安定・安全に対するコミットメントを、新たな時代においても維持していることを強調しました。

同大統領はその上で、イスラエルの犯罪的な行動と世界の平和・安全を乱す性質について説明し、「我が国は、対話と交渉の道を進んでいる最中に、イスラエルとアメリカの侵略を受けた。しかし、イランが断固とした対応を取ると、彼らは休戦を求めざるを得なかった」「イスラエルがアメリカの許可なしにこのような行動を取ることはできなかったのは疑いがない」と語りました。

また、イランが国際原子力機関(IAEA)との協力を一部停止したことについては、引き続き対話、外交、相互尊重、国際法の枠組みを遵守することを改めて強調し、協力停止の理由を「IAEA事務局長の一方的で非専門的な行動に対する反応だ」と説明しました。

ペゼシュキヤーン氏はこれについて、「IAEA報告書の中立性が守られていないこと、イランの核施設に対する明白な武力攻撃に沈黙したことなどがIAEAの信頼を失墜させ、協力停止につながった」と述べました。その上で、「国際機関、特にIAEAのような組織に加盟する国々は、その加盟によって平等な支援と利益を享受すべきであり、そうでないならば、その加盟に価値や正当性はない」と述べました。

さらに、長年にわたるイランとIAEAの広範な協力に言及し、今後もその協力を続けるには、IAEAがイランの核問題に対する二重基準の行動を改める必要があると強調しました。

イラン・欧州関係についてペゼシュキヤーン大統領は、コスタ議長の外交努力と建設的な交流推進への努力を評価し、イランがEUとの関係を強化し、対話を通じて課題を解決する用意があることを改めて強調しました。

一方のコスタ議長も、EUが現在の課題を解決するために外交的解決策を見つけ、イランとの協力を拡大する意向を示し、「国際機関が二重基準を避けるべきだという点に完全に同意する。EUは、イランの歴史、文化・文明に対して深い尊敬の念を抱いており、対話と協力に対して完全な用意を整えている」と述べました。

コスタ氏はまた、最近のイスラエルによる攻撃で殉教したイラン市民に対して哀悼の意を表し、「EUは、ガザ地区でのイスラエルによる人権侵害を非難し、戦争の停止、人道支援の提供、そしてパレスチナの人々への実質的な支援が必要であることを強調する」と語りました。

 


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