イラン最高指導者が米国政府に警告;「他国への干渉を止めて数百万人規模の抗議活動を鎮めよ」【写真あり】
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イラン最高指導者が米国政府に警告;「他国への干渉を止めて数百万人規模の抗議活動を鎮めよ」【写真あり】
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、同国の原子力産業を爆撃・破壊したと豪語したトランプ米国大統領の発言に言及し、「問題ない。そう思っていればよい。だが、ある国が原子力産業を持っているからといって、それに対しすべきことやしてはならないことをとやかく言うとは、あなた方は一体誰なのか?イランに核施設や核産業があるかどうかは、アメリカと何の関係があるのか?こうした介入は不適切かつ誤りであり、脅迫に等しい」と語りました。
【ParsTodayイラン】ハーメネイー師著作保存出版事務所のウェブサイトによりますと、ハーメネイー師は20日月曜、様々なスポーツや国際科学オリンピックのイラン人チャンピオンやメダリストら数百人との会合において、これらの受賞者を成長と国力の顕現の象徴だとし、「諸君は、愛しきイランの将来有望な若者が『国家の象徴』として頂点に立ち、世界の意識と視線をイランの明るい雰囲気に気づかせる力を持っていることを証明した」と強調しました。また「諸君の勲章は、他の時代の勲章とは一線を画している。その理由は、敵が武器によらないソフトな戦争で国民の意気消沈を狙い、自らの能力を認識させず、あるいは失望に陥れようとしている状況において、諸君がこれらの勲章を獲得したからに他ならない。しかし、諸君は行動の場における国民の能力と力を立証して、敵に最も強力に反撃した」と述べています。

ハーメネイー師はまた、1979年のイスラム革命後のイランにおける複数分野での飛躍的な進歩に言及し、「今年の諸君の一連の成功はその一例であり、これは我が国のスポーツ史上、おそらく前例のないものとなる」と語りました。そして、才能あるイランの若者らが世界の科学の頂点に上り詰めたことに祝意を示し、「諸君のこれらの功績はイラン国民の功績であり、わが国への注目を惹きつけている」と述べています。
さらに「イランの若者にとってもう一つの目に見える誇るべき領域は、知識の戦場である」との見解を示し、「ナノ」「レーザー」「核」「各種軍事産業」「医療の進歩」など、様々な分野でイランが世界のトップ10の研究・科学ランキングに仲間入りしていることに触れ、「ほんの数日前、我が国のある研究センターが不治の病の治療法の発見に成功したという非常に重要なニュースを耳にした」と語りました。
そして、敵がイランにおける様々な科学的進歩を阻もうと工作していることを想起し、「イラン国民に対し悪意を抱く輩は、『多数の成功の否定または無視』、『真実と虚偽の混同』、『わずかな欠陥の誇張』、『プロパガンダ攻勢』により、イランの雰囲気を暗澹たる陰鬱なものにしようとしている。しかし、諸君はスポーツと学術の頂点に立つことで、イランの明るい雰囲気を万人に示して見せた」とコメントしています。

加えてハーメネイー師は、ドナルド・トランプ米大統領による最近の横暴かつ負け犬的な言動に言及し、「この人物はシオニストたちを鼓舞し、地域やイラン、そしてイラン国民に関する忌まわしい行動と数々の虚言によって自らの有能ぶりを見せつけようとした。しかし、もし彼にその能力があるのなら、全米各州で彼に反対するスローガンを叫ぶ数百万人もの市民らを宥めるべきだ」と述べました。
そして、地域とイランに関する米国大統領の最近の無意味な発言に言及し、「米国大統領は、シオニスト政権イスラエルの占領地を訪れ、一連の無意味かつ下品な発言を提起して、絶望しているシオニストらに希望を与え、士気を高めようと試みた」としています。

ハーメネイー師はまた、「ガザ戦争において、アメリカがイスラエル政権の犯罪における主要な共犯者であることは疑いようがない。それは、米国大統領自身が、ガザにおいてこの政権と協力関係にあったことを認めているからだ。もっとも、トランプ大統領がそう言わなかったとしても、この戦争中に防衛手段を持たないガザ市民を相手に使われた武器や装備はアメリカの所有物であったため、それは明らかだったはずだ」と語りました。

さらにハーメネイー師は、トランプ大統領の虚言のもう1つの例として「アメリカはテロと戦っている」という彼の主張を挙げ、「ガザ紛争で2万人以上の子どもや幼児が殉教した。彼らこそテロリストだったのではないか? アメリカこそテロリストであり、テロ組織ISISを生み出し、地域に大混乱を引き起こしている。そして今日、多くの人々がISISを掌握し、自分たちの利益のために利用しようと保持しているのが現実だ」と述べています。

そして、各地の州や都市で700万人がトランプ大統領に反対するデモを行っていることに触れ、トランプ氏に向かって「あなたが本当に有能なら、虚偽の拡散や、他国の問題への干渉、軍事基地の建設などを止めて、この数百万人もの人々を宥め、帰宅させるべきだ」と警告しました。

この他にも、ハーメネイー師は「イラン国民を支持する」としたトランプ氏の主張を虚偽だと断じ、「多くの国が恐怖心から同調している米国の二次制裁はイラン国民に対するものだ。だから、あなたはイラン国民の敵であり、友人ではない」と付け加えています。
ハーメネイー師は最後に、「米国大統領がとる立場は誤りであり、多くの場合は虚偽で、不当な要求の強要の兆候である」とし、「不当な要求の押し付けは一部の国に影響を与えるが、神の恩寵により、それがイラン国民に影響を及ぼすことは決してないだろう」と強調しました。
