なぜイランは洞窟探検家にとっての楽園なのか?【写真あり】
-
西部ハメダーン州のアリー・サドル洞窟
悠久の歴史と多様な自然を持つ国・イランには数千もの天然の洞窟が存在しており、その多くは世界で認識される最も美しい現象の一つと考えられています。
統計によれば、イラン国内では2500以上の洞窟の存在が知られており、そのほとんどはザグロス山脈とアルボルズ山脈の中に形成されています。数百年前から存在するこれらの洞窟は主に石灰岩でできており、訪れる人々は息を呑むような鍾乳石や石筍、地底湖、そして水晶の層に魅了されています。
【ParsTodayイラン】外国人観光客にとってもこれらの洞窟を訪れることは、イランの自然と歴史の美しさを体験する絶好の機会となっています。イランで最も有名な洞窟の一つは、西部ハメダーン州にあるアリー・サドル洞窟です。
アリー・サドル洞窟は、地底湖を有する洞窟としては世界最大とされています。この洞窟内の航行可能な距離は全長約11キロメートルにも及び、観光客はパドルボートで透き通った水の順路を進むことになります。水は非常に透明度が高く、水深10メートルまで見通すことができます。水温は常に12℃に保たれており、見学者は涼しくリラックスしたひとときを過ごせます。この洞窟が誇るものの1つは、色鮮やかな石灰岩の層と高さが最大40メートルにも及ぶ天井という大自然の傑作です。
また、西部ザンジャーン州にあるキャタレホル洞窟は、イランで最も美しい乾性・湿性洞窟の一つです。1億2000万年前にできたとされるこの洞窟には、透明な結晶の鍾乳石が光を透過し、幻想的な景観を作り出しています。一部の人々の間では、その未発見の洞窟の先端は、アリー・サドル洞窟と繋がっていると信じられています。この洞窟内には、見学用の順路および広々とした天井の高い空間が存在し、観光客向けに適した造りとなっています。
もう一つ見逃せない洞窟は、中部マルキャズィ州(デリージャーン近郊)にあるチャール・ナフジール洞窟です。この洞窟は7000万年前から存在しているとされ、至る所に白いドロマイト(白雲石、カルシウムとマグネシウムを含む炭酸塩鉱物)の結晶とカリフラワーのような形状の岩石が存在します。内部に天井の高い大きな空間が存在し、自然に外部からの換気がなされることから、この洞窟は西アジアの驚異の一つとなっています。
これらに加えて、ペルシャ湾に浮かぶゲシュム島のナマックダーン(世界最長の塩洞窟)、西部コルデスターン州のキャラフト洞窟(手製の古代の建築による)、南部ファールス州のシャープール洞窟(サーサーン朝の彫刻が存在)などの洞窟も、訪れる価値のあるものです。
これらの洞窟には、自然の美に加えて、人類の歴史の痕跡も残されています。皆様がイランを旅行なさる際には是非これらの洞窟見学を旅程に組み込み、地下深くでの忘れがたい体験をしていただきたいものです。

