イラン外相;「国際体制は真に公正な多国間主義への回帰を必要とする」
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アラーグチー・イラン外相が「わが国とロシアの関係は歴史・地政学的つながり、そして両国の恒常的な利益に基づいた、国際体制における責任ある持続可能なパートナーシップの一例である」と語りました。
(last modified 2025-12-17T08:09:39+00:00 )
12月 17, 2025 16:36 Asia/Tokyo
  • イランのセイイェド・アッバース・アラーグチー外相
    イランのセイイェド・アッバース・アラーグチー外相

アラーグチー・イラン外相が「わが国とロシアの関係は歴史・地政学的つながり、そして両国の恒常的な利益に基づいた、国際体制における責任ある持続可能なパートナーシップの一例である」と語りました。

【ParsTodayイラン】セイイェド・アッバース・アラーグチー外相は、ロシアの日刊全国紙「コメルサント」宛ての記述において、イランとロシアの戦略的関係の深さと広範さについて語り、両国の関係を「新たな国際体制の形成に向けた道筋における責任ある持続可能なパートナーシップ」であると述べました。また「これらの関係は両国民の歴史的、地政学的結びつきと恒常的な利益に根ざしたもので、断片的な配慮ではなく、国際体制の深遠な情勢変化に対する共通理解に基づくものである」と強調しています。

また、数十年にわたる協力の歴史に触れ、「イランとロシアの関係は、21世紀初頭の『相互関係の基礎に関する条約』の締結により新たな段階に入り、今や『包括的戦略的パートナーシップ条約』によって質的レベルへと引き上げられた。この条約は、包括的かつ長期的なロードマップとして政治、安全保障、経済、エネルギー、科学技術、文化、観光といった分野における協力を描いている」としました。

アラーグチー外相は、イランの外交政策の主要な柱の1つを善隣外交だとし、常にこれを重視してきました。この枠組みにおいて、ユーラシアとカスピ海沿岸の重要な隣国であり、国際情勢において影響力を持つロシアは特別な位置付けにあります。カスピ海地域におけるイランとロシアの協力、南北国際回廊の発展、そしてEAEUユーラシア経済連合は、この絆の重要な軸となっています。

さらに、イランとロシアが国際体制について共通の見解を持っていることを強調し、「両国は国連憲章の原則、国家主権の尊重、違法介入への反対を堅持し、国際体制は真に公正な多国間主義に回帰する必要があると考えている」と語りました。そして「『法規を超えた非人道的な』制裁を受けたという共通の経験は、こうした制裁の影響の緩和、独立した金融・銀行メカニズムの構築、そして経済の回復力強化に向けた協力を深める基礎になる」との見解を示しています。BRICS新興経済国グループ、SCO上海協力機構、EAEUユーラシア経済連合などの多国間組織という枠組みでの積極的な協力は、一極体制からより公正で包括的な体制への移行という両国の意志を反映していると考えられます。アラーグチー外相は、特にBRICSを不公正な世界統治構造の改革という新興国の意志の象徴だとしました。

一方、アラーグチー外相は科学技術協力をこの戦略的パートナーシップの主要な柱の一つと位置付け、知識ベース、航空宇宙、平和利用目的の原子力技術、AI人工知能の分野における両国の能力を重要なものだとしました。同外相によれば、包括的戦略的パートナーシップ条約は、これらの協力の拡大および、科学技術面での自立達成に向けた適切な下地を作るものだとされています。

最後にアラーグチー外相は、イランの著名な詩人フェルドウスィーおよびサアディー、ロシアの作家プーシキンやトルストイといった人物に象徴される両国間の深い文化・文明的つながりに言及し、この資産を文化対話の深化および、人的つながりの強化のための貴重なプラットフォームだとしました。そして最後に「イランとロシアはこの戦略的パートナーシップを基盤として、覇権主義に代わり協力、圧力に代わり対話、押し付けに代わり尊重が生まれる体制の構築に向けて前進している」と結論付けています。

 

 


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