論評|国際原子力機関:核の技術機関から対イラン圧力行使手段まで
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バガーイー・イラン外務省報道官が「IAEA国際原子力機関の中立性を政治的思惑の犠牲にしたことで、この規制機関は好戦主義・戦争扇動を正当化する共犯者と化した」と語りました。
(last modified 2026-09-12T07:30:39+00:00 )
9月 12, 2026 16:28 Asia/Tokyo
  • IAEA国際原子力機関のラファエル・グロッシ事務局長
    IAEA国際原子力機関のラファエル・グロッシ事務局長

バガーイー・イラン外務省報道官が「IAEA国際原子力機関の中立性を政治的思惑の犠牲にしたことで、この規制機関は好戦主義・戦争扇動を正当化する共犯者と化した」と語りました。

エスマーイール・バガーイー報道官は「X」に投稿したメッセージの中で、イランの核問題に関するラファエル・グロッシIAEA事務局長の業績について「IAEA事務局長は、技術的専門知識、中立性、独立性に基づく信頼性でもっているこの国際的に権威ある組織の技術報告を、好戦主義・戦争挑発の政治的正当化に転じさせてしまった」と述べています。また「この国際組織の報告書が曖昧さの解決ではなく、脅迫的な物語を創出し、ある国を相手取った政治・法的訴訟の立件のための材料になると、『技術的監督』と軍事侵略の下地作りとの間の境界線は危険なほど失われることになる」と付け加えました。

また「この問題は、単にIAEAあるいはその長の信頼性の毀損に限定されず、この国際組織の最も貴重な資産、つまり公平で独立した権威機関としての信頼性が失われることになる。IAEAの技術・制度的信頼性が政治的目的の犠牲にされれば、この国際組織は侵略を理に叶ったものとして提示し促進する手段と化す」としています。

さらに「世界の平和・安全を守る責任を負う機関は、戦争の口実を生み出す連鎖に決して加わってはならない」として、強制措置の信頼できる根拠として誤った査定評価を提示し、このようにして侵略の根拠を提供し、侵略を正当なものとして偽装・吹聴する輩は、その結果に対する責任を回避できない」と強調しました。

IAEAの機能に関するイランの最近の立場表明は、決して特定の報告書や決定に対する単なる抗議ではなく、IAEAの機能が専門的・技術的な組織機関から西側諸国の政治的目的に奉仕する手段へと変貌しつつあることに対する強い懸念を表明したものです。2026年9月にIAEA理事会が新たな決議を採択した後、バガーイー・イラン外務省報道官が提起した発言は、まさにこの点に焦点を絞っています。すなわち、IAEAは各国の核活動の検証において公平な役割を果たさず、その報告書や評価がイランに対する政治・法的圧力行使、さらには軍事行動の正当化の根拠となり得る道筋に次第に乗ってきている、という点です。

この問題の重要性は、IAEAの信頼性が基本的にその独立性、中立・公平性、技術的性質に依拠しているという事実に由来しています。IAEAは核不拡散体制においてその役割を履行しうるのは、あくまでもその評価が政治的考慮なしに、検証可能な証拠および、すべての国に対して完全な同一基準に基づいて行われる場合です。この原則に違反すると、技術報告は専門家の文書から政治的な見解を生み出すための手段と化す可能性があります。イランの主な懸念は、技術的な情報や調査結果が曖昧さの解消および安全保障問題の解決のみに利用されるのではなく、政治的枠組みの中に置かれ、イランの「核の脅威」のイメージ創出を幇助していることです。

2026年9月の理事会決議の採択は、この点において重要な転換点となる。イランの視点から見ると、IAEAの立場が米国と欧州トロイカ(英独仏)の要求と一致したことで、IAEAの技術的メカニズムがイランへの圧力強化を目的としたより広範な戦略と結びついているのではないか、という懸念が強まっています。近年、シオニスト政権イスラエルもイランの核問題を技術的・外交的な問題から安全保障・軍事的な問題へ転換しようと繰り返し試みてきたため、この問題はさらに深刻化しています。このような状況下では、IAEAからの否定的あるいは曖昧な報告は、現在の政治情勢において、圧力の増大、制裁、軍事的脅迫、あるいは軍事行動の根拠として利用されかねません。

この観点からすると、イランが提起している批判の矛先は同機関の報告書の内容のみならず、その報告書の政治的利用の仕方にも向けられています。一国の核分野における約束履行状況を調査するだけのはずの技術報告書が、決議案可決や制裁強化、強制措置の根拠作りに利用される連鎖の続編にあるとすれば、技術的な監視と政治的圧力との境界線は事実上薄れると考えられます。この点こそは、IAEAが「侵略を正当化する手段」になる、という解釈とともにバガーイー報道官が言及した問題です。

もっとも、IAEAの信頼性を守ることは決して、イランの核活動を監視し検証する必要性の否定を意味するものではありません。イランはNPT核兵器不拡散条約の加盟国として、監視と保障措置履行の原則に精通しています。主な問題は、この監督・査察の実施方法、並びに政治的圧力からのその独立性の度合いです。イランに対する規制基準が核開発計画を保有する他国に適用される基準と異なる場合、IAEAメカニズムが政治化されているのではという疑問が生じるのは当然です。あらゆる国際機関の信頼性は、その法的権威のみならず、その公平・中立性と公正な機能に対する加盟国の信頼により生まれるものです。

こうした中、米英独仏の動向も特別な重要性を帯びています。これらの国々は、イランとIAEAの協力の必要性を強調する一方で、IAEA理事会の政治的議題の決定に大きく関与しています。その結果、イランは、IAEAに対する西側諸国の政治的圧力が、同機関の意思決定の雰囲気に影響を与えているという論拠を示すことが可能になります。さらに、西側諸国による政治・軍事面での対イスラエル支援、そしてイランの核開発計画に関するイスラエルの立場・市政により、イランの核問題がより大きな地政学的枠組みの中で定義されているという懸念が強まっています。

こうした成り行きの影響は決して、イランだけにとどまりません。仮にIAEAが、自らの報告書が主要国の政治的目的に資すると考えるようになれば、他のNPT加盟国の信頼も損なわれる可能性があります。各国は、国際監視体制との広範な協力が必ずしも安全保障を高めるとは限らず、むしろ技術情報が政治的に悪用されかねない、と結論づけるかもしれません。このような状況は、最終的に核不拡散体制の弱体化をまねくことになるでしょう。

したがって、現在の危機はイランとIAEA間の紛争という枠を超えて評価される必要があります。主要な問題は、大国からの圧力に対し国際機関の独立性が維持できるかという試練です。IAEAは自らの信頼性維持のためには、政治的思惑よりも技術的基準が優先されること、そしてその報告書が安全保障上の資料作成目的ではなく、あくまでも紛争解決および核の透明性の向上を目的に作成されていることを示さねばなりません。さもなければ、「監視」と「圧力手段」の間の溝は日々広がり、IAEAはイランの核問題を解決できない上に、事実上この組織そのものが危機の一部と化すかもしれないのです。

 


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