最高指導者の考えるアメリカの偽りの姿
「アメリカは、表面的な主張とは裏腹に、タクフィール主義のテロリストの根絶を追求しておらず、これらのテロリストの一部を自分たちの今後の目的のために保持しようとしている」
アミーンザーデ解説員
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、11日日曜朝、イラクのシーア派国民連合のハキーム議長、および、この連合のメンバーと会談し、この点を強調すると共に、「アメリカは常に、イラクをはじめとするイスラム諸国の力に反対してきた。彼らの微笑みや繕いに決して欺かれてはならない」と語りました。
ハーメネイー師は、イラクの石油のISISによる売却に触れ、「アメリカは当時、石油が採掘されるのを傍観するだけで、彼らを攻撃することはなかった。そのため、アメリカを信用すべきではない」と語りました。また、イラクの未来は現在よりも明るいものだとし、「イラクの発展はイランの利益になり、両国のさらなる同調も、両国の利益になる」と強調しました。
最高指導者のイラクの未来に関する見解、イラクの発展を伴う安全の強調は、イランのイスラム体制が、国際法規やそれ以上のことを遵守していることの表れであり、地域の人々の共通の敵の本質を知っていることを物語っています。その敵は、かつて、サッダームフセインの支持者として、中東に戦争や情勢不安を広げ、現在も当時と同じ覇権主義的な思想により、とはいえテロとの戦いという欺瞞的な口実を用いて、地域の政治地図を変更しようとしています。
アメリカをはじめとする覇権主義体制の目的は、地域の人々の内部に対立や分裂を生じさせることにより、彼らを依存させることです。
このような状況の中で、治安の維持は最優先となります。治安の確立には、周囲の環境や脅威を十分に把握するなど、幾つかの必須事項があり、それらは、これまでの経験と政治的な洞察力の2つに頼ることによって得られます。
今日、イラクは困難の峠を乗り越えてきており、シーア派の統一はソフトパワーとなっています。このソフトパワーは、アメリカの本質を知ることによって、より効果的なものとなるでしょう。現在、イラクで得られている統一は、経験と理性の結果です。この点で、ハーメネイー師の表明は、イラクを明るい未来へと導くものです。
この数年、イラク国民に押し付けられてきた圧制や苦痛は、西側、特にアメリカが、イラクや地域の安定や安全を懸念したことはない、ということを示しています。アメリカは、アルカイダの誕生やISISの支援における自分たちの過ちの責任を受け入れようとすらしていません。アメリカ、そして全体的に西側の政治家は、自分たちの欺瞞的な行動がもたらしたイエメン、アフガニスタン、イラク、シリアの人々の苦痛を、欺瞞的な宣伝の材料にしています。安定した安全なイラクが今後実現されるかは、政治的な枠組みを超えた、全てのグループや民族の団結と努力にかかっています。
イラクでの一丸となったテロやISISとの闘争による貴重な成果は、シーア派の連立結成の賜物です。これらの勝利は、団結と連帯の維持によってのみ、さまざまな陰謀に打ち勝つことができるということを示しました。アメリカ軍の地域駐留の継続に関するカーター国防長官の発言は、アメリカの地域における長期的な目的を示しています。イラク首相府の報道官は、少し前、「アバディ首相は、イラク軍の力を強化するつもりであり、外国軍がイラク領土でISISと戦うことはないと話した」と語りました。同報道官の発言は、カーター長官が、「対ISIS連合軍の一部は、イラク領土の解放後、この国に残るべきだ」と語った後に行われたものです。このことから、ハーメネイー師は、イラクのシーア派連合すべての責務は非常に重大であり、彼らのあらゆる決定や行動は、イラク、地域、イスラムに影響するとしたのです。