南パールス・ガス田開発、経済発展への歩み
16日日曜、イラン南部アサルーエのイランの石油産業最大の投資プロジェクトのひとつが稼動を開始しました。
イランのローハーニー大統領の立会いのもと、南パールスガス田のフェーズ17、18、19、20、21が稼動を開始しました。これにより、日量1億5000万立法メートルのガスが、国内の消費のために生産されます。これにより、この共同ガス田の採掘量はカタールに近づくことになります。
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、3月21日のイラン暦新年に際した表明の中で、今年はイランにとって、経済活動を必要とする重要な年だとしました。
ハーメネイー師は、イランは石油とガスを合わせた埋蔵量の点で世界で1位、ガスのみの埋蔵量でも世界1位だとし、次のように語っています。
「覇権主義大国、特にアメリカがイランに対して貪欲な視線を向けているのは、このような人材と天然資源の豊かさにある。だが間違いなく、彼らはイランを再び支配したいという願望を墓場まで持っていくことになるだろう」
ハーメネイー師は、抵抗経済を軸にした経済発展のための努力の必要性に触れ、工業やガスなどの経済部門の重要な点に触れました。
石油・天然ガス産業の発展の全体的な戦略によれば、海と陸の国境地帯にある共同油田を稼動させること、そして石油化学製品の生産を30倍に増加させることが石油省の取り組みとなっています。この中で、石油化学産業の発展、天然ガスの生産量や輸出量の増加に向けて注目に値する埋蔵量を持つ南パールスは、大きな重要性を有しています。
今日、稼動を開始したフェーズでは、天然ガスだけでなく、日量22万5000トンのコンデンセート、1200トンの硫黄、年間315万トンの液体ガス、300万トンのエタンが生産されます。これらのフェーズは、稼動開始後、一日当たり600万ドルの収入をもたらすことになります。
今日はイランの石油化学産業にとっても重要な日となっています。ローハーニー大統領のイラン南部・ブーシェフルへの訪問では、4つの石油化学プロジェクトが稼動を開始します。これにより、イランのポリマーや石油化学製品の生産量がおよそ200万トン増加することになり、その価値は20億ドル以上になると見られています。
石油省の見積もりによれば、南パールスガス田の開発プロジェクトが始まった2002年以来、これまでこれらのガス田で1兆立方メートル近いガスが生産されてきました。現在、日量5億5000万立方メートルのガスがここから採掘されています。このガス田の生産量はこの4年間で2倍以上に増えました。
共同開発パートナーであるカタールの南パールスガス田の生産量は、現在、日量およそ6億立方メートルで、イランの生産量は、来年の4つのフェーズの稼動により、カタールを上回ると予想されています。南パールスガス田のすべてのフェーズが完全に稼動を開始すれば、日量8億立方メートルのガスが生産されることになります。
南パールスの開発プロジェクトは、アメリカとその同盟国が制裁により、イランの経済発展を妨げようとしている中で生産に至りました。しかし、このような動きが発展に向けたイランの決意を強めるきっかけとなり、現在、抵抗経済の優先事項のひとつは、石油・天然ガス部門の発展となっているのです。