週刊イラン
(last modified Wed, 17 May 2017 12:22:01 GMT )
May 17, 2017 21:22 Asia/Tokyo
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今週イランでは、大統領選挙と市町村議会選挙に向けた雰囲気や活動が高まっています。 今週、シーア派12代目イマーム、マハディの生誕日を迎え、イラン全国で祝祭が行われました。世界は、人類世界の救世主の出現を待ち望んでおり、救世主はその出現によって、世界に公正と自由の旗を掲げ、その信者を救済へと導きます。

イランでは選挙に向けた準備が進められています。大統領選挙は、市町村議会選挙、および、国会中間選挙と共に、今月19日に実施されます。

 

選挙活動の締め切りまでの最後のチャンスに、6人の候補者は、あらゆる可能性を活用し、自身の主張を行い、この責務を立派に果たすことができることを示そうとしています。候補者たちは、それぞれの見解や傾向に沿った主張により、自身の計画やアプローチを提示しています。

 

ローハーニー現大統領、ライースィー師、ミールサリーム氏、ガーリーバーフ・テヘラン市長、ハーシェミータバー氏、ジャハーンギーリー現副大統領の6人は、先週金曜、3回目で最後となる討論会で、経済問題に関する計画や見解を提示しました。

 

「国民が選挙に参加し、その参加がイスラムと法の境界を守った道徳と秩序を伴うものであれば、間違いなく、選挙はイスラム体制の誇りと名誉の源になるだろう。だが、選挙で道徳や法に反する行いが見られ、自分たちの言葉によって敵に希望を抱かせるようであれば、選挙は我々の損害になるだろう」

 

この最高指導者の表明は、先週水曜、テヘランのイマームホサイン士官学校の卒業式で行われました。ハーメネイー師はこの中で、「選挙は国民の力の最大の象徴であり、その結果は、市民社会の維持と存続のもとになりえ、多くの脅迫や圧力の中で、イラン国民が発展、成長、向上を続けるのに必要な土台になる」と述べました。イラン司法府のアーモリーラーリージャーニー長官も次のように語っています。

 

「体制の憲法、特に道徳を守るべきである。候補者が別の候補者を攻撃することは、宗教でも宗教法でも許されていない。建設的な批判はよいが、相手を攻撃し、イメージを壊すこと、誹謗中傷を浴びせることは許されない」

 

アーモリーラーリージャーニー長官は、選挙運動の中で法を遵守する必要性について語りました。

 

ハーメネイー師は、先週の別の表明の中で、イスラム体制の敵の短期、中期、長期的な目標を説明し、次のように強調しました。

 

「敵の短期、中期、長期的な目標は、イスラム体制の原則を変更し、イランの国民の生活や経済、安全保障にダメージを与えることにある」

 

ハーメネイー師は、知識と科学の発展、強力で独立した経済、軍事力、体制としての力、治安部隊を、イランの力の要素として挙げ、「敵は常に、イランの力の要素に対して憎しみと敵意を抱いている」と語りました。さらに、「混乱に満ちた中東でのイランの安全と平穏は、イスラム体制の誇りのひとつであり、覇権主義大国の標的になっている」としました。

 

ハーメネイー師は、イラン国民の力の要素を説明し、「イランのミサイル能力は、力強く維持され、拡大される。イスラム体制の抑止力の政策の目的は、世界の理不尽な国々がイラン攻撃を考えるのを防ぐことにある」と強調しました。さらに、「敵は、もしイラン攻撃を考えれば、厳しい反応に直面することを知るべきだ。彼らは開始者になるかもしれないが、その結果は彼らの手にはないからだ」と語りました。

 

イランの体制の抑止力については、少し前から、さまざまな報道が伝えられています。これについて、イラン統合参謀本部バーゲリー議長は、先週、重要な点を強調しました。

 

バーゲリー議長は、先週木曜、テヘランで開催された式典で、地政学的、戦略地政学的な特徴を、イランの長所として挙げ、「イランは北部と南部に長い海岸線を有しており、特に南部の海岸線は、地域や世界の力のピラミッドを決定するものだ」としました。また、ペルシャ湾岸地域の重要性に触れ、「この地域は、海岸の重要性に加え、石油や天然ガスといった化石燃料の世界最大の埋蔵地であり、世界の経済やエネルギーの心臓である」と語りました。

 

バーゲリー議長は、イランの体制や国民に対する、アメリカや覇権主義大国の敵対と脅迫は、海上を基盤にしたものだとし、「自分たちの力を海上で形成した敵たちは、真の戦場では大きな被害を蒙ることをよく知っている」と述べました。

 

ハーメネイー師は先週、抵抗政府について、「抵抗政府の立場は抑止力であり、今日イランは、抵抗政府として、幅広い影響力を持つ地域的、国際的な動き、治安部隊、経済、政治を有している」と語りました。

 

今週もスポーツ界の活躍が見られました。

イスラム諸国連帯競技会が、先週金曜、イランをはじめとするイスラム54カ国の選手が出場し、アゼルバイジャンの首都バクーで開幕しました。

 

イランからは、この大会の19種目に159人の選手が出場しています。イランは、インドネシアで行われた前回の大会で、6種目に87人の選手が出場し、金メダル30個、銀メダル17個、銅メダル11個を獲得して準優勝しました。

 

また先週は、サッカーのアジアクラブ王者を決めるAFCチャンピオンズリーグの試合が行われました。さらに、インドで開催されたレスリング・グレコローマンスタイルのアジア選手権で、イランは金メダル4個、銀メダル1個、銅メダル2個を獲得し、優勝しました。

 

また、学術部門でも、マレーシアで開催された国際発明・技術革新展ITEX2017で、イランは金銀銅合わせて13個のメダルを獲得しました。イランからは15人が出場し、メダルの内訳は、金5個、銀6個、銅2個となっています。

 

ITEX(アイテックス)2017は、マレーシアのクアラルンプールで、先週木曜から土曜まで開催されました。

 

ユネスコのゲイダーリー・イラン委員会の事務局長は、先週、新たにイランの2つの遺産のユネスコ登録を申請しました。ゲイダーリー事務局長は先週木曜、「ユネスコに送られた文書のひとつでは、イランの歴史的な哲学者のシャハーボッディーン・ソフレヴァルディを、ユネスコの世界の偉人に登録することが提案されている」と表明しました。もうひとつの文書では、1750年の歴史を持つジョンディシャープール大学の世界遺産の登録が申請されています。

 

ゲイダリー事務局長は、「これらの文書はユネスコ総会で定められた基準を満たしていることから、世界遺産に登録されるだろう」と強調しました。