アメリカ国務長官の反イラン発言
アメリカのティラーソン国務長官が、再び、イランは中東地域の情勢を不安定にするための干渉や活動を続けていると主張しました。
ティラーソン長官は、13日火曜、上院外交委員会の会合で発言した際、地域のイスラム抵抗勢力をテロリストと呼び、「イランはこの勢力に武器を提供し、我々の同盟国であるイスラエルを脅かしている」と語りました。さらに、「我々とその同盟国は、地域でイランの覇権主義的な目的に対抗すべきだ」としました。
ティラーソンの発言の本質は完全に明白であり、アメリカの外交機関は、サウジアラビアが地域に作り出している雰囲気を、自分たちの思い通りに利用しようとしています。ティラーソン長官の発言は、一石二鳥を狙うものです。アメリカの政治家は、サウジアラビアの問題により、大きな利益をアメリカの企業や武器製造会社にもたらす一方で、シオニスト政権イスラエルに対する抵抗勢力を弱めることで、地域の同盟国、特にサウジアラビアに頼りながら、イスラエルの安全を保障しようとしています。言い換えれば、アメリカとイスラエルは現在、カタールとサウジアラビアの関係に生まれている危機により、全く攻撃を行わずに、自分たちの目的に近づいています。パキスタンの政治専門家、ムハンマド・オスロムハーン氏は、この問題について、パキスタンの新聞ナワーイ・ワクトの「カタール危機」という記事の中で次のように記しています。
「カタール危機の根は、リヤドではなく、テルアビブにある」
この記事には次のようにあります。
「この数日、イスラエルとサウジアラビアの政治家の関係が高まっているという報告が発表されている。聖地に仕える国が、イスラエルに手を差し伸べているという点を受け入れるのは難しい」
ムハンマド・オスロムハーン氏は、今回はスンニー派諸国を対立させているとし、次のように続けています。
「カタール首長はこれまで、アルアディードにあるアメリカ軍基地が、近隣諸国の脅威からカタールを守る役割を果たせると考えていた。しかし、トランプ大統領は、カタールによる長期的なテロリストへの資金援助を公然と非難した。アメリカの武器が、必要な場合に彼を守ってくれると考えるとは、カタールのタミム首長は何と浅はかなのだろうか。それどころか、それらの武器の最初の標的は、彼らになる」
明らかに、ティラーソン長官の世論を欺くような発言は、イギリスの植民地主義が使い古してきたシナリオの繰り返しであり、対立を生み出して支配する政策により、地域の泥水から利益を手にするものです。この政策が、今、アメリカのトランプ政権によって繰り返されています。このアメリカの政策には、もうひとつの結果があり、それは西アジアが望まない危機を押し付けられたことです。この危機は、アメリカのアフガニスタンやイラクへの攻撃によって始まり、その裾野はシリアやイラクでのISISとの戦争、サウジアラビアによるイエメン攻撃にまで広がっており、現在アメリカは、新たな代理戦争を計画しようとしています。
9.11アメリカ同時多発テロ事件のハイジャック犯19人のうち、15人がサウジアラビア人だったことを、ティラーソン国務長官に指摘する必要はないでしょう。とはいえサウジアラビアは、自分たちのイメージの払拭に努めています。彼らの目的は、ワッハーブ派と過激派の間に違いを置くことにあります。その努力の一例は、6月7日に「ワッハーブ派とテロリズム、サウジアラビアが戦火を煽っているのか、それとも消火しているのか」という問題をテーマに開催された会合です。サウジアラビアの関係者は、アメリカに自分たちの別の姿を示す必要があることを理解しており、そのために、反テロ連合を結成しました。アメリカもまた、そのメッセージを受け取っています。
しかし、過激主義との戦いの主張の中で、根本的な疑問となっているのは、アメリカとサウジアラビアのどちらが早く、このゲームをやめるのか、ということです。
アメリカの政治家のこの質問に対する回答は明らかではありません。なぜなら、彼らによれば、全てのことはアメリカの利益と将来、サウジアラビアの支配者をいつまで利用できるかにかかっているからです。イラクのサッダームフセイン政権やリビアのカダフィ政権は、恐らくこの質問への最も明らかな回答になるでしょう。いずれにせよ、サウジアラビアはひとつの手段に過ぎません。サウジアラビアの関係者は、戦略的な過ちを繰り返せば、今後も多くの問題に直面するでしょう。これは、地域におけるアメリカの同盟国のすべてが、多かれ少なかれ、経験してきたことであり、地域の出来事の歴史は、アメリカの地域の同盟国への支援が、どのような結末になるかを示しているのです。