6月 25, 2017 15:36 Asia/Tokyo
  • 週刊イラン

この1週間にイランで起こった主な出来事です。 ラマザーン月最後の金曜日、世界ゴッツの日、イラン国民は再び、パレスチナ人への支持を世界の人々に向かって叫びました。 最高指導者が、数百人の大学教授らと会談しました。 イラクのアバディ首相がテヘランを訪問しました。 イランと中国の合同海軍演習が、ホルモズ海峡とオマーン海で実施されました。 先週もスポーツの大会で、イラン人選手が活躍しました。

まずは世界ゴッツの日の行進からお話ししましょう。

ラマザーン月最後の金曜日の世界ゴッツの日、イラン全国でデモ行進が行われ、イスラエルに死を、アメリカに死を、のスローガンが叫ばれました。行進に参加した人々は、プラカードや横断幕を手に、シオニスト政権イスラエルを非難し、パレスチナの虐げられた人々への支持を表明しました。

 

世界ゴッツの日の行進への人々の一丸となった参加は、実際、シオニスト政権とその支持者たちを非難する国際的なメッセージを含むものでした。この大々的な参加は、世界の全てのイスラム教徒の共通の理念を守ることを改めて強調するものでした。その理念とは、パレスチナの解放をはじめとする原則を決してあきらめないというものです。政治問題の専門家であるカーシャー二―プール氏は次のように語っています。

 

「人間は、虐げられた人々に対して無関心でいることはできない。そのため、世界各地で、パレスチナ人に対して行われている抑圧への反発が見られている。ヨーロッパ、アジア、その他の重要な都市で、それが目にされている。ニューヨーク、ソウル、その他の各地で、それぞれ異なる言語や人種、文化を持っているが、宗教や人種、言語を超えて、自由を求める人々が反発を示している」

 

ただいまお聞きいただいたのは、政治専門家のカーシャー二―プール氏による、パレスチナ人への世界的な支持についてのお話しでした。イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、先週、大学の教授らを前に演説を行いました。

 

「世界ゴッツの日が大切にされているのは、祖国を追われた人々を擁護するためだけではない。現在、パレスチナを擁護することは、パレスチナ問題をはるかに超えた真実の擁護である」

 

ハーメネイー師は、世界ゴッツの日を非常に重要だとしています。

 

「この大切な日は、単に虐げられた人々への支持を表明するだけの日ではない。それどころか、世界の覇権主義者との闘争の象徴である。そのため、アメリカの政治家は、この動きからダメージを感じ、それに敵対している」

 

ハーメネイー師は、パレスチナ問題を解決する方法は、占領者や強奪者の移民ではなく、パレスチナ領土にとどまった人も、それ以外の土地にいる人も、すべての真のパレスチナ人が国家の支配体制を決定することだとしています。明らかに、世界で民主主義を主張する人々の“国民の票”の主張が真実であれば、パレスチナ人も、一国の国民であり、彼らが決定を下す必要があるのです。アメリカの歴史家であるランス・デビッドソン氏は次のように語っています。

 

「イランやその他の国でこの日の行進が行われていることは、非常に重要なことだと考える。シオニストの目的は、最終的に、祖国を追われたパレスチナ人が世界から忘れ去られることにある」

 

先週、イラクのアバディ首相が、テヘランを訪問しました。アバディ首相はイランの最高指導者と会談しました。

 

最高指導者のハーメネイー師は、アバディ首相との会談で、アメリカが地域で分離独立を追求している目的に触れ、「イランは隣国として、イラクの一部の分離独立に関する国民投票の実施についての噂に反対しており、この問題を煽る人々を、イラクの独立とアイデンティティの反対者と見なしている」と語りました。ハーメネイー師は、イラクの挙国一致の必要性を強調し、「アメリカに対して賢明さを保ち、決して彼らを信用してはならない。なぜならアメリカとその傀儡は、イラクの統一、アイデンティティ、独立に反対しているからだ」と述べました。また、アメリカのISISへの反対は本物ではないと強調し、「アメリカとそれに従う地域の一部の国は、ISISの根絶や消滅を追求していない。ISISは彼らの資金と支援によって誕生したのであり、彼らは自分たちの手の中にあるISISをイラクに留まらせようとしている」と述べました。

 

アメリカは、イラクやその他の地域諸国で、干渉的なアプローチにより、さまざまな計画を実行しており、その目的は、地域を分裂させ、サウジアラビアの資金と軍事力を使って、イスラエルの目的を達成することにあります。このようなアメリカの政策は、イラクをはじめとする西アジアを望まない危機に直面させており、これらの国に紛争を強いています。この危機は、アフガニスタンとイラクへのアメリカの攻撃によって始まり、シリアとイラクにおけるISISとの戦い、サウジアラビアによるイエメンへの攻撃に発展し、現在、アメリカは、新たな代理戦争を計画しています。

 

ハーメネイー師が語ったように、イラクにおけるあらゆる対立や分裂は、イラクにダメージを与えるための機会をアメリカに与えます。そのような機会を彼らに与えるべきではありません。

 

イラン外務省は、先週、アメリカの利益代表部をつとめる、テヘラン駐在のスイス大使を呼び出し、アメリカ政府に対するイランの強い正式な抗議を伝えました。この抗議は、アメリカ国務長官のイランに関する干渉的な発言を受けて行われました。

 

イランのホシュルー国連大使も、国連事務総長に書簡を送り、アメリカ国務長官による発言は、干渉的で不遜なものであり、国際法の原則に反し、アメリカのイラン内政への不干渉を定めた1981年のアルジェ合意への違反だとしました。

 

アメリカのティラーソン国務長官は、アメリカ上院で行った発言の中で、イランはテロを支援していると非難し、脅威の源だとしました。また、「アメリカの対イラン政策は、イランの平和的な政権移行を助けることのできるイラン国内の関係者を支援することだ。このような関係者は間違いなくイラン国内に存在する」と述べました。

 

このような発言は干渉的で不遜なものであり、国際的な慣習や原則、国連憲章の精神に反しており、国際関係において容認されない行動です。

 

このティラーソンの反イランの発言の一方で、先週、1953年8月のイランにおけるクーデターへのCIAの関与を示す文書が発表されました。この文書は、アメリカのイランに対する敵対行動の長い歴史を示しました。CIAとイギリスが関与した1953年のクーデターにより、イランのモサッデグ民主政権が崩壊し、イランの独立、民主主義、発展に向けた道が突然、閉ざされ、25年に及ぶ独裁時代が訪れました。その深い傷跡は、今なお、イラン社会に残っています。

 

アメリカの地域政策は、2つの流れに基づいています。アメリカの政治家は、サウジアラビアから、莫大な利益をアメリカの企業や武器製造会社にもたらしており、その一方で、シオニスト政権に対する抵抗勢力を弱め、地域の同盟国、特にサウジアラビアに頼ることで、イスラエルの安全を確保しようとしています。

 

アメリカは、イランをテロ支援で非難していますが、9.11アメリカ同時多発テロ事件の調査報告では、ハイジャック犯19人のうち15人が、サウジアラビア国籍であり、アメリカとサウジアラビアの産物であるアルカイダとつながりを持っていたことが明らかにされました。アメリカはまた、イランの体制を非民主的だと非難していますが、イランで行われる選挙は、民主的な指標に基づいた非常に透明なもので、イラン国民のイスラム体制への支持を表しています。一方で、アメリカが支持するサウジアラビアの体制は、民主主義からは程遠いものです。

 

東京で開催された重量挙げの世界ジュニア選手権で、イランが優勝しました。この2年連続の優勝は、イラン国民を喜ばせる結果となっています。

 

東京で開催されたこの大会は、先週金曜に閉幕しました。この大会で、イランは金メダル2個、銀メダル2個、銅メダル2個を獲得し、総合優勝しました。なお、2位は日本、3位は中国でした。この大会には、世界50か国から、男女合わせて260人以上の選手が出場しました。

 

タグ