週刊イラン
この1週間にイランで起こった主な出来事です。 シーア派3代目イマーム、ホサインの追悼行事が行われました。 テロとの戦いで殉教したホジャジー氏の葬儀が行われました。 聖なる防衛週間の特別な式典が開催されました。 イラク情勢に関するイランの見解表明や協議が続けられています。 最後に、アメリカの核合意に反する動きと、トランプ大統領の非論理的な政策への批判が高まっています。
今週、イラン全国で、イマームホサインの殉教を追悼する行事が行われました。
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師、体制関係者、数千人の人々が出席する中、テヘランの宗教施設、ホセイニーエ・イマームホメイニーで追悼集会が開催されました。
イマームホサインは、西暦680年、イスラム暦61年のモハッラム月10日に、カルバラで殉教しました。
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先週は、イランの聖なる防衛週間でした。1980年代のイランイラク戦争の聖なる防衛の8年間、イランの戦士たちは、最大の英雄伝、献身、勇気を示しました。
1980年9月22日、イラクのサッダームフセイン軍は、1週間でテヘランに到達すると考え、イランに対して大規模な攻撃を開始しました。イラク軍はこの攻撃に、12の歩兵部隊、4500台の戦車、360機の戦闘機、400機のヘリコプター、その他の軍備を用いました。当時のイラクのタハ・ヤシン・ラマダン第一副首相は、イランとの戦争の目的を、イスラム革命に対する戦いだと話していました。
「この戦争は、1975年の協定やアルヴァンド川の半分、数百キロのための戦いではない。この戦争は、イランのイスラム体制を打ち倒すための戦いである」
この侵略的な戦争の中で、理不尽な大国はイラクを支援し、地域の連合を結成することで、イランのイスラム体制を倒し、革命を失敗させるためにイラク軍を支援しました。しかし、イラン国民は、革命的な動機と殉教追求の精神により、侵略者に対抗したのです。
最高指導者のハーメネイー師は、聖なる防衛週間に際したメッセージの中で、次のように語っています。「殉教は選ばれた者への神の恩恵である」
ハーメネイー師はこのメッセージの中で、次のように語りました。
「ある社会や地域の中で、殉教者という偉大な人間が現れるとき、彼らによって道を判別し、正しい道を歩み、自分の魂に生命を与えることがすべての人に義務付けられる」
明らかに、今日、イランの戦士たちがシリアのISISとの戦いの先頭に立っているのは、聖なる防衛時代の価値観が生きていることの現れです。ホジャジー氏のような殉教者もその例です。
テロと戦ったイランの戦士の一人、ホジャジー氏は、今年8月9日、シリアとイラクの国境でISISのテロリストの捕虜となった後に殉教しました。遺体がイランに帰国した後、その葬儀が行われました。
ハーメネイー師は、先週水曜、テヘランのモスクで、ホジャジー氏の遺体の傍らで次のように語りました。
「殉教者は皆、至高なる神によって愛される存在である。だが、この若者が持っていた特徴により、神はこの殉教者に高い地位を授けた」
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アメリカは、核合意の精神や内容に反し、その実施の成功を弱める目的で、非建設的なアプローチを行っています。核合意は、2016年1月16日から実施されていますが、イランが取り決めを履行している一方で、核合意の相手側は、自分たちの取り決めを履行していません。このような政策の中で、アメリカのヘイリー国連大使は、先週木曜、非論理的な声明を発表し、何の証拠も示さないまま、「核合意は制限的で欠陥のある合意であり、イランの核活動に関して、より正確な調査が行われるべきだ」と語りました。
アメリカ政府が考えている選択肢には、IAEA国際原子力機関のより厳しい査察や、イランの軍事施設への査察の要請があります。アメリカの目的は、イランとIAEAの協力に疑いを抱かせることにあります。
イランのザリーフ外務大臣は、最近、ロシアのソチで、IAEAによるイランの軍事施設の査察について、記者団に対し次のように語りました。
「核合意や追加議定書により、核活動の可能性がある場所のみに対して査察が行われる」
ザリーフ外相は、「これまで、イランも発表し、IAEAからも繰り返し強調されてきたように、未申告の活動は存在しない。核合意により、IAEAによる査察は、イランの機密事項を知るための口実にはなりえない」としました。
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イランでは先週、イラク情勢に関する政治協議が行われました。イラクの中央政府と世界の反対にもかかわらず、イラククルド人自治区のバルザニ議長の個人的な動機により、先週月曜、この地区の分離の是非を問う住民投票が実施されました。この住民投票の実施には、イラクの近隣諸国から反発の声が上がりました。
イラン国会は、声明を発表し、イラクのクルド人自治区の分離計画を非難するとともに、「あらゆる分離に関する措置は、イラクや地域全体の損害になる」と強調しました。イランの国会議員210人の署名により、先週水曜に発表されたこの声明では、イラクのクルド人自治区の関係者に対し、イラク政府との協力において必要な準備を行い、シオニストの地域における挑発的な動きを許さないよう求められています。イランの国会議員はこの声明の中で、「クルド人自治区のイラクからの分離は、イラクの民族の統一と領土保全を損ない、この国を新たな衝突に巻き込む可能性がある」と強調しました。
イランのハータミー国防大臣も、先週、テヘラン駐在のトルコ大使と会談し、地域諸国の領土保全と主権の尊重というイランの原則的な政策を説明しました。
「イラククルド人自治区の住民投票を、イラクの国民や政府がISISと戦っている中で実施するというこの地区の関係者の行動は、テロリストと地域や世界のその支持者のフィールドでのゲームを意味する」
イラン統合参謀本部のバーゲリー議長も、イラク統合参謀本部議長とテヘランで会談した後、共同記者会見で、次のように語りました。
「イランとイラクは、イラク北部の住民投票を認めないという共通の立場を取っており、イラクの地理の変更や一部の地域の分離に反対している」
バーゲリー議長は、「イランはイラクの統一を正式に認めており、イラクとの共通の国境は、現在の法的な国境である」と語りました。
今回の住民投票は、地域の分離に向けた口実にされようとしています。アメリカがイラクを侵攻したときから、イラクをクルド人、シーア派、スンニー派の3つの国に分けるためのさまざまなシナリオや計画が提起されてきました。これらのシナリオは最終的に、イラクの近隣諸国に広げるためのモデルにされようとしています。