アメリカによる反イランの世論操作
アメリカのトランプ大統領が、イランへの敵対政策を続ける中、根拠のない主張を行い、イエメンからサウジアラビアへのミサイルの発射はイランによるものだとしました。 サウジアラビアは、4日土曜、リヤド上空で弾道ミサイルを迎撃したことを明らかにし、「このミサイルはイエメンから発射された」と発表しました。
イランのハータミー国防軍需大臣は、このアメリカの主張に対し、「敵は、イランに対して根拠のない非難を行うためにあらゆる機会を利用しており、我々はそれを強く否定する」と語りました。
イエメン戦争は、サウジアラビアにとって消耗戦になっており、イエメンとこの国の民間人に大きな物的、人的被害が出ています。
サウジアラビアのイエメンでの軍事作戦は、2015年3月25日の大規模な空爆によって始まりました。サウジアラビアの戦い方、27日間に及ぶ空爆から、海上や陸上での衝突にも広がった攻撃を見ると、サウジアラビアの軍事政策や戦略の計画者が、短期間でイエメンでの目的を果たせると考えていたことが分かります。しかし、彼らは短期間で目的を果たすことはできませんでした。
アメリカのトランプ大統領は、シリアとイエメンでのアメリカとサウジアラビアの政策が失敗している中で、イランがイエメン問題に関与し、妨害を行っていると主張しており、この失敗を覆い隠すために、イランに対して根拠のない非難を行っています。
イランの元外交官のセイエド・ホセイン・ムーサヴィヤーン氏は、サウジアラビアのイエメン攻撃について、アメリカは、サウジアラビアによるイエメンへの侵略や戦争の共謀者だとし、「戦争が安全を保障することはなく、サウジアラビアのイエメン攻撃により、今後、サウジアラビアは情勢不安に巻き込まれることになる」と語りました。
アメリカは、第二次世界大戦後、何百万人という人々の命を奪うような政策を進めてきました。ベトナム、アフガニスタン、インドネシア、パキスタン、スーダン、イラク、その他の国で、アメリカが直接、あるいは間接的に行ってきた戦争により、多くの人が命を失いました。
中東問題の専門家で、アメリカのタウソン大学のチャールズ・ハーメーツ氏は、メフル通信のインタビューで、イエメン戦争へのアメリカの関与について次のように語っています。
「アメリカはイエメン戦争に強く関与している。アメリカは、アルカイダとの戦いの中で直接、そしてイエメン戦争でサウジアラビアを支援することによって間接的にイエメン戦争に関与している」
アメリカは、人々の殺害に直接関与しているだけでなく、イエメンにおけるサウジアラビア、パレスチナにおけるイスラエルの犯罪を支援しています。トランプ大統領がイランに対して行っている根拠のない発言は、実際、サウジアラビアにおけるアメリカの行動を示しています。アメリカは、自分たちの行動について説明する代わりに、地域が現在の状況に陥っている責任をイランに押し付けようとしています。そしてこのような主張により、サウジアラビアがイラン恐怖症政策を続けるのを後押ししているのです。