週刊イラン
この1週間の主な出来事です。
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、司法府の長官や関係者と会談しました。
アメリカのイラン国民に対する犯罪のいくつかの例について見ていきます。
イランのローハーニー大統領が、行政の関係者を前に演説を行いました。
核合意を巡る最新の状況と、この問題に関する国連安保理の会合についてお話します。
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、先週、司法府の長官、および、関係者と会談しました。
「現在、世界では、複雑なプロパガンダによって黒が白に、絶対的な悪が正義であるかのように示されているが、残念ながら、我々の機関の多くは、メディアの活動や世論の興味を引く問題を過小評価している」
この40年のイランにおけるアメリカの干渉と犯罪、そしてこの人権擁護を主張する国々の、サッダームフセインやテロ組織モナーフェギンへの支援は、イラン国民にとって明らかな事実です。最近、イランは、過去にアメリカが支援したテロ組織モナーフェギンによるテロがあった日々を迎えています。先週は、イラン暦ティール月7日のテロがあった日に当たりました。イランは1979年のイスラム革命勝利後、多くのテロリストによる陰謀にさらされ、1万7000人以上の犠牲者を出しました。

モナーフェギンによるイランの政府関係者を標的にした一連のテロは、革命勝利直後に最高潮に達しました。1981年の6月末、イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、テヘランのモスクで演説を行っていた際、テロの標的になりました。
この出来事の後、1981年6月27日、イランのテロの歴史の中で最も規模の大きかった爆弾テロにより、テロは新たな局面に入りました。この日、テヘランにあるイスラム共和党事務所で大きな爆発があり、当時の最高裁判所のトップであったベヘシュティ師と閣僚4人、次官12人、国会議員およそ30人を含む72人の政治・宗教の要人がモナーフェギンのこのテロによって殉教しました。
それから2か月後の1981年8月29日には、新たな爆弾テロにより、ラジャーイー大統領とバーホナル首相が殉教しました。モナーフェギンは、テロによって1万2000人以上を殺害しています。
アメリカと一部のヨーロッパ諸国は、モナーフェギンがイランから逃亡した後、彼らを支援しました。モナーフェギンはしばらくの間フランスに潜伏していましたが、イラン・イラク戦争の開戦とともにイラクに入り、敵のイラン侵略に協力しました。また、アメリカのイラク攻撃とサッダームフセイン政権の崩壊後も、アメリカとヨーロッパの支援を受け、アルバニアに移り、そこで自由に活動を続けました。
アメリカの言語哲学者、チョムスキー氏は、アメリカとその同盟国による政策が、テロ攻撃の元凶だとしています。また、アメリカはテロを奨励しているのか、それともその終結を求めているのかと問いかけ、次のように語っています。
「テロを終わらせたいのなら、まず、なぜテロが起こったのかを考えるべきだ。そもそもの原因は何だったのか、それ以上に深い根にあるのは何なのか。その上で、この疑問について考えるべきだ」

ハーメネイー師は、ティール月7日のテロの殉教者の遺族と会談した際、このようなダブルスタンダードは、アメリカとヨーロッパ諸国にとって大きな不名誉だとし、「モナーフェギンは、人民を守る、イスラムを守るという主張のもとに、イラン国民との闘争を始めたが、その中で、ティール月7日のテロや一般市民へのテロなどの犯罪に着手し、最終的に、サッダームフセインのような人物の側につき、現在もアメリカの支援を受けている」と語りました。
アメリカの歴史は、イラン国民に対する忘れることのない犯罪にまみれています。1988年6月、イラクのサッダームフセイン政権は、化学爆弾を使用し、イラン西部のサルダシュトを爆撃しました。この攻撃で、110人が殉教、8000人以上が負傷しました。この人類に対する犯罪の影響は、今も消えていません。
アメリカ、イギリス、ドイツなどの西側諸国は、サッダームフセイン政権の支援者として、化学兵器の生産技術や物質を何度も提供しました。イラン・イラク戦争の中で、化学兵器は繰り返し、イランやイラクの人々に対して使用されました。
イギリス外務省は、先週、ロンドンでの化学兵器に関する国際会議の開催に際して声明を発表し、この国やその西側の同盟国による、イラクのサッダームフセイン政権への支援には触れずに、この政権によるイランに対する戦争での犯罪を認めました。
アメリカやヨーロッパの人権においては、政治的な利益が何よりも優先されます。アメリカは、他国の人々に圧制を行い、人権を内容のないものにしています。トランプ政権の黒人社会に対する差別的な決定や暴力的な対応、移民に対する非人道的な行動、人々に対する侮辱は、アメリカの人権に対するダブルスタンダードを物語っています。
アメリカとその同盟国は、アフガニスタン、イラク、シリアをISISなどのテロ組織の温床にしました。このような干渉は、テロとの戦いと安全保障を名目に行われています。アメリカとヨーロッパは、人権を主張しながら、不公正や戦争を広め、イエメンでの女性や子供の殺害や、パレスチナでのシオニスト政権イスラエルの犯罪に対する黙認を民主主義への支持と呼んでいます。これらの事実は、アメリカと一部のヨーロッパ諸国の人権に関する本質を示しています。
アメリカを筆頭にした世界の覇権主義国は、イランのイスラム革命の勝利から40年、何度もイラン国民に対して多くの犯罪を行ってきました。イランの旅客機の撃墜は、アメリカの人権の本質を明らかにする犯罪のひとつです。
1988年7月2日、イラン南部のバンダルアッバースからドバイに向かっていたイラン航空の旅客機が、ペルシャ湾の上空を飛行中、アメリカの艦船から発射された2発のクルーズミサイルによって撃墜されました。

この攻撃により、2歳から12歳までの子供57人、2歳以下の子供8人、ユーゴスラビア人、パキスタン人、インド人、アラブ人などの外国人42人を含む、乗客乗員合わせて290人全員が死亡しました。当時のブッシュ大統領は、この犯罪を、海上の貿易ルートを保護し、石油の自由な移送を支援するためのアメリカの法的な権利だったと主張しました。
そのため、ハーメネイー師は、敵の理不尽な要求に対するイラン国民の権利の回復を強調し、「人権問題に関して、イランは西側に対して貸しがある」と語りました。
ハーメネイー師は、世界各地におけるアメリカの人権侵害、アフリカやインドにおける過去数十年のフランスやイギリスの犯罪に触れ、「最近も、ISISへの支援、シリア、ミャンマー、その他の地域における西側の行動は、彼らの人権擁護の主張が偽りであることを示している」と語りました。
アメリカは、トランプ政権が誕生した現在も、脅迫や制裁、経済戦争によってイラン国民を屈服させようとしています。アメリカ政府は、国際法に反する行動の中で、5月8日、核合意から離脱し、イランを困難な状況に追い込もうとしました。アメリカ国務省の関係者は、アメリカ政府はすべての国に対し、11月までにイラン産原油の輸入を停止するよう求めたと語っています。
イランの国連代表部は、先週、核合意に関する安保理会議の開催後、声明の中で、アメリカの核合意離脱という非合法な行動は、この国による安保理決議2231への明らかな違反であると訴え、「アメリカは、核合意からの違法な離脱と国際法や国連憲章への違反により、その責任を問われるべきだ」としました。

イランのローハーニー大統領は、先週水曜、政府の関係者との会合で、アメリカの核合意からの離脱に触れ、次のように語りました。
「アメリカが核合意から離脱してから51日、世界のすべての国は、トランプ大統領とアメリカ政府を非難したが、イランが立場を譲歩した、あるいは制裁を恐れていると語る者は誰もいない。それどころか、皆が、偉大なイランの理性と賢明な対応について語っている」
ローハーニー大統領は、アメリカの核合意に関する新たな立場に対し、イランが選べる道は3つあり、それは、アメリカに屈すること、国内の対立を続けながらアメリカに抵抗すること、そして国内の対立を続けずに国民の誇りを維持しながら、アメリカに抵抗することだとし、「イラン国民は3つ目の道を選んだ」と語りました。
ローハーニー大統領は、イラン国民は理不尽な要求や侵略に屈することはないと強調し、「イランの人々は、意志の闘争の中で、アメリカを打ち倒すだろう」と語りました。