週刊イラン
この1週間にイランで起こった主な出来事です。
イラン外務省の関係者や各国大使が、先週、イスラム革命最高指導者のハーメネイー師と会談しました。
アメリカの核合意離脱後の状況について、イランの大統領、外相、参謀本部議長らが表明を行いました。
核合意とヨーロッパの決定は、なおも政界やメディアの注目を集めました。
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、イラン外相の関係者や各国大使との会談で、イランの外交政策の目的やバランスについて述べ、イスラム体制の敵の妨害や心理的な圧力に対抗する上での外交の重要性について説明しました。ハーメネイー師は、イランに対して地域勢力やアメリカが結成した大規模な陣営とイスラムの敵の計画に触れ、「このような大きな攻撃に対抗するために、外交の可能性や機会をはじめとするすべての力の要素を活用し、この破壊的な流れに対抗すべきだ」と強調しました。
イスラム体制は、独立、栄誉、公正の追求、理不尽な要求、圧政、侵略の拒否といった価値観や原則をもとに樹立されました。そのため、外交機関の思想的な基盤は、国益の保護、独立、自由、社会的な公正、国力と国家の安全保障であるべきです。こうした中、アメリカの政府関係者は、未だに過去の幻想や逸脱した理解の中におり、イラン国民を支配し、イランに指図することができると考えています。この中で、トランプ大統領は、根拠のない愚かな発言を行っています。
トランプ大統領は、「アメリカは危険なゲームをすべきではない」としたローハーニー大統領の最近の発言に対し、ツイッターで、「アメリカを再び脅迫すれば、イランは史上まれに見る結果を目にすることになる」と主張しました。このような発言は、現在の世界では政治的な分析や価値のないものです。
「イスラム体制を転覆させる」というアメリカ政府高官の発言は、彼らがイラン国民の大きな可能性を知らないことを示しています。アメリカのポンペオ国務長官は、ロナルド・レーガン記念図書館で行われた講演の中で、「イランのイスラム体制は崩壊しようとしている」と主張し、アメリカ政府は、イラン国内の暴徒を支援すると語りました。
アメリカは、イランに経済的な圧力をかけ、この圧力や制裁によって、イラン国民の意志をくじくことができると考えています。しかし、イランの人々の過去の歴史は、それが誤っていることを示しています。
ザリーフ外相はツイッターで、トランプ大統領の脅迫は、イランの人々にとっては価値がないとし、「イランの人々は、40年前から、このような言葉を耳にしている」としました。ザリーフ外相はまた、トランプ大統領に向けて、「イランの人々は数千年も前から存在し、一部の国よりも長く続いた王朝をはじめとする、数々の王朝の崩壊を目にしてきた。気をつけた方がよい」と語りました。
実際、アメリカは、革命前のイランにおける立場を取り戻そうとしており、それ以下の状況には満足しないでしょう。長年の経験から分かるように、アメリカは、イランの体制そのものに敵対しており、イランの地域における活動、高濃縮度のウラン製造や核能力への反対は、イスラム体制の力に対する彼らの深い敵対によるものです。この点を強調し、ハーメネイー師は、「地域における活動は、イランの安全保障と国力の要素の一環であり、国の戦略の結果と見なされる。そのため、敵はそれに反対している」と語りました。
イランの外交機関は、これらすべての圧力や問題にもかかわらず、イランの敵の吹き込みによる雰囲気を変え、このようなアプローチによって国際舞台での存在感を増そうと努めています。核協議団が西側と合意したのも、政治的な協議におけるイランの努力の一環であり、西側が作った反イランの風潮を変えることにつながりました。こうして現在、ヨーロッパは、核問題と核合意におけるイランの政治的な対話を擁護し、トランプ大統領の政策に反対しています。そして、アメリカが核合意から離脱した中で、イランとの建設的な関係を維持しようとしています。
イランとアメリカの関係の歴史の中には、アメリカの現在の政治家にとって、教訓となる点や発言が非常に多く存在します。
1979年のイランイスラム革命の勝利当初から、イラン各地におけるアメリカの陰謀が始まり、一部の地域諸国や組織が、アメリカの扇動により、連日のように問題を作り出していました。1980年代のイランイラク戦争の開戦と、イラクのサッダームフセイン政権によるアメリカの支援は、アメリカのイランに対する敵対の新たな幕開けでした。彼らは、戦争によって、イランを数ヶ月間麻痺させ、打ち倒すことができると考えていました。
現在もトランプ政権のアメリカは、イスラム体制の打倒という夢を追っています。この夢は、イランの防衛力を弱め、孤立させ、非難を浴びせ、制裁を行使する、という事柄のもとに成り立っています。しかし、トランプ大統領も、それ以前の歴代大統領も、イラン国民の真の力の源は、彼らの連帯と統一、敵を正しく知っていることであり、イラン国民はアメリカを正しく自分たちの敵と見なしている、という事実を理解していないのです。
イラン国民は、イスラム革命の勝利当初から40年、あらゆる陰謀に抵抗しました。この間、イランは常に、偉大であり続け、影響力を失うことはありませんでした。これは一つの事実です。ローハーニー大統領のアメリカに向けたメッセージは、一つの明確なメッセージを含むものでした。ローハーニー大統領は、「われわれは、誰とも対立や争いはない。だが、敵は、イランとの戦争が数々の戦争の母、イランとの平和が数々の平和の母となることを知るべきだ。我々が脅迫を恐れたことはなく、脅迫に対しては脅迫で応じる。我々は攻撃と防衛の民ではないが、抑止力を追求しており、これに基づき、われわれの力は抑止の力である」と語りました。
ローハーニー大統領は、「イランの原油の輸出を許さない」としたアメリカの発言を受け、次のように語りました。
「危険なゲームをすべきではない。あなた方は永遠に公開することになる。それはあなた方の手には負えなくなる。あなた方には、イラン国民を自分たちの利益に反する行いに動員することはできない。イラン国民は自分たちの利益を理解しており、そのために命をささげる。あなた方には、イラン国民を、彼ら自身の利益や安全保障に反する行動に動員することはできない。あなた方はイラン国民に対する敵対を明らかに示している。あなた方が、イランの原油の輸出を許さないと言うとき、それが意味するのは、医薬品や生活必需品の輸入を許さないということだ。つまり、国民の生活を厳しく制限し、その上で、自分たちはイラン国民の支援者だと言っている。そのような言葉を誰が信じるのか」
イラン参謀本部のバーゲリー議長も、声明の中で、「イランの軍隊と国民の驚くべき能力に対する、アメリカ大統領の誤った考え方は、決して実現されることはない」と語りました。バーゲリー議長はこの声明の中で、イランはこれまで開戦国だったことはないと強調し、「イランは常に、地域の平和、安定、平穏の旗手となり、ペルシャ湾とホルモズ海峡を監視する国として、この世界経済の重要な航路の船舶の安全を保障するとともに、あらゆる対策を講じる力を有している」と語りました。
先週、核合意とヨーロッパの決定は、なおも政界やメディアの注目を集めました。
イランのザリーフ外務大臣はこれについて、「イランは核合意において、ヨーロッパの対応を待つことはない」と語りました。この強調は、最高指導者のハーメネイー師が、イラン外務省の関係者、在外公館の大使や代表との会談で語った事柄と合わせて分析することができます。
ハーメネイー師は、イラン外務省の関係者や大使との会談で、「ヨーロッパとの協議は停止しないが、ヨーロッパの提案を待つべきではない。国内で必要な多くの活動に取り組む必要がある」と語りました。
イランは、核合意の維持の可能性を探るため、ヨーロッパ側に対し、核合意におけるイランの利益を守る形での決定を発表する機会を与えました。しかし、それだけでは十分ではありません。
ザリーフ外相は、ユーロニュースのインタビューで、2つの時期が設定されていることに触れ、「最初の期限は、8月に実施されるアメリカの制裁であり、次の期限は、11月に実施されるアメリカの制裁である。我々は、ヨーロッパがそれらにどのように対処するのかを確認した上で、その対応に完全に沿った形で応じる意向であり、それに関して明確な計画を有している」と語りました。
ヨーロッパは、アメリカの国益が、世界経済における決定の流れよりも優先されるのか、それとも、政治や経済の論理に従って行動するのかを受け入れる必要があります。