週刊イラン
(last modified Tue, 14 Aug 2018 10:48:24 GMT )
8月 14, 2018 19:48 Asia/Tokyo

この1週間に起こった主な出来事です。                   

イランと無条件で話し合う用意があるとするアメリカの主張について見ていきます。

北朝鮮外務大臣がテヘランを訪問しました。

イランが、サウジアラビアのジッダで開催されたOICイスラム協力機構の会合での反イランの声明に反発しました。

 

イランに対するアメリカの敵対政策は、政界やメディアで議論されています。アメリカは、何の正当性もなく、すべての国際法に違反して核合意から離脱し、イラン国民に対して不当な制裁を復活しています。こうした中、アメリカは先週再び、イランと無条件で話し合う用意があると主張しました。

 

イランはこれまで何度も、対話と論理を支持していること、取り決めを受け入れれば、それを遵守することを行動で示しています。一方で、アメリカの行動には二面性があり、脅迫や制裁の再発動と同時に協議の意向を示したのは、アメリカ政府の問題から世論の目を逸らすための行動です。

 

少し前、国外の文化活動家らが、イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師と会談しました。その中の一人は、国外での、イスラム革命に関心を持つ人々の懸念や関心事を明らかにしました。

 

ハーメネイー師は、敵の行動に対する懸念に対し、次のように語りました。

 

「我々の状況に対しては心配することはない。誰にも何もできることはない。これに関して疑いの余地は存在しない。そのことをすべての人に伝えてほしい」

 

アメリカの政治家は、圧力行使により、イランが屈服し、アメリカの過剰な要求に応じると考えています。このような考え方は、アメリカの文化や歴史におけるさまざまな要素の他に、彼らが他国の見解を理解できないことにも起因しています。しかし、このような考え方は完全に間違っています。

 

イランのザリーフ外務大臣は、脅迫、制裁、プロパガンダ芸は効果がないと強調し、「アメリカにできるのは、核合意から離脱し、協議の席を離れたことの責任を感じることだけだ」と語っています。ザリーフ外相は、アメリカに対し、イランの人々と国際的な取り決めに敬意を示すよう勧告しました。

 

政治問題のアナリスト、ステファン・コリンソン氏は、CNNのインタビューで、アメリカの行動について次のように語っています。

 

「トランプ大統領のイランへの提案は、アメリカ政府の問題から世論の目を逸らせるためのものであり、トランプ大統領は、イランに対する矛盾した過激なメッセージにより、この状況を変えようとしている。トランプ大統領は、現在の状況の中で、イランの問題を特に取り上げている」

 

ロシアのアナリスト、ムスソフ氏によれば、アメリカ政府は、イランが対話の用意に関してメッセージを出し、アメリカがイランに対する制裁を停止する、という形を望んでいます。アメリカ政府はこれまで何度も、イランの統治体制が大きく変われば、イランと対話を行う用意があると表明しています。しかしイランは、イラン国民は誰に対しても屈服することはないと表明してきました。

 

トランプ政権が、イランに対して制裁を復活させた目的は、イランの経済危機を拡大し、この問題に対する抗議を高めることにあります。アメリカ政府高官は、イランは体制を内側から変更する必要があると考えています。

 

アメリカCIAの西アジア問題の元分析官、ピラル氏は、「イランは圧力に屈する」というアメリカの一部の政治家の考え方は誤っているとし、次のように語っています。

 

「アメリカは現在、以前に比べて、圧力行使の手段が大幅に減っている。アメリカの核合意からの離脱により、孤立しているのはイランではなく、アメリカだ」

 

いずれにせよ、アメリカの外交政策における行動は、アメリカを信じること、特にアメリカのトランプ政権を信頼することは容認されないことを示しています。アメリカは、過去の過ちを改めようとしたことがありません。

 

イランの地域政策は、透明で明らかです。イランは、地域の安全と安定の維持を重視しており、地域の過激派やISISなどのテロ組織と戦っています。イランのローハーニー大統領は次のように語っています。

 

「アメリカ政府の近年の行動により、アメリカは現在、いかなる取り決めも守らない、世界で信用できない国として知られている」

 

 

ローハーニー大統領と北朝鮮のリ・ヨンホ外務大臣の会談

 

ローハーニー大統領は、先週水曜、テヘランで、北朝鮮のリ・ヨンホ外務大臣と会談し、イランは朝鮮半島の完全な平和と安全の確立を望んでいるとし、「朝鮮半島の情勢は、イランにとって重要だ」と語りました。

 

在ウィーン国際機関イラン政府代表部のガリーブアーバーディ代表は、77カ国グループの議長と会談し、この点に触れ、「トランプ政権は、この政策において完全に孤立し、国際社会はイランと共に、アメリカの一方的な行動を大きな問題に直面させている」と語りました。

 

一方的な行動に対抗する上での国際機関の強化は、現在、不可欠な要素になっています。イランはこの中で、特に77カ国グループや非同盟諸国が担うことのできる重要な役割や多極体制の強化を強調しています。

 

 

トランプ大統領

 

トランプ大統領は、核合意などの一部の国際的な合意から離脱し、多極体制に対抗しています。このような政策は、世界を長期的な情勢不安や危機に陥らせており、その結果は、西アジア、朝鮮半島、アフリカ大陸で見られています。

 

この数年の地域や世界の情勢は、過激な単独主義、利己主義、国際機関との協力の欠如が、イランだけでなく、すべての国の脅威になっていることを示しています。残念ながら、地域の一部の堕落した政権は、アメリカに同調して誤った道を進み、代理戦争によって、地域を情勢不安に陥れています。これに関するサウジアラビアの行動は、懸念すべきものです。

 

サウジアラビアは、地域で過激派を支援し、テロの輸出の元凶となっています。先週には、OICイスラム協力機構の会合を悪用し、イランが地域に情勢不安をもたらしていると非難しました。これについて、イラン外務省のガーセミー報道官は、サウジアラビアのジッダで開催された、OICの会合の11項目からなる声明を否定し、イランに対する非難を強く批判しました。ガーセミー報道官はこれについて次のように語っています。

 

「イランの代表は、サウジアラビアから査証が発給されなかったため、ジッダでのOICの会合に出席していない。そのため、このような声明は、サウジアラビアの圧力により、一方的に作成され、発表されたものだ」

 

 

ガーセミー報道官

 

ガーセミー報道官はさらに、次のように続けました。

 

「イエメンの罪のない人々を最新の武器で殺害し、この国のインフラを破壊し、数年前から人道的な危機を作り出してきた、イエメンの侵略国は、自分たちの犯罪を覆い隠し、地域や世界の世論の目を逸らすため、このような価値のない声明を発表し、地域や世界の組織を悪用している」

 

OICの信用を悪用した、このような声明の発表は、加盟国の間に不信感を生むと同時に、加盟国の可能性や資本を浪費し、イスラム世界の真の問題への貢献を妨げ、世界におけるこの組織の地位を弱めることにつながります。

 

サウジアラビアは、パレスチナ人を支持するのではなく、シオニスト政権イスラエルの利益を確保しようとしています。パレスチナ・イスラム聖戦運動のイラン代表は、先週水曜、テヘランで開催された、「シオニスト政権のユダヤ国家法が、パレスチナ内外の関係に及ぼす影響」に関する会合で、次のように語りました。

 

「アメリカとシオニスト政権、そして地域の一部の政府は、パレスチナ人に圧力をかけ、難民の祖国への帰還をはじめとする真の理想の実現を断念させようとしている」

 

アメリカは、パレスチナ人の権利を奪おうとしています。“世紀の取り引き”というアメリカの計画は、聖地ベイトルモガッダス・エルサレムを中心とした、この陰謀の一環であり、この陰謀が実施されれば、ベイトルモガッダスはシオニストのものとなります。そうなれば、他国にいるパレスチナ難民は、パレスチナの土地に戻る権利がなくなり、パレスチナ人は、ヨルダン川やガザ地区に残っている土地のみの所有者となるのです。