視点;イランタンカーの解放ー英国の敗北と面子を失った米国
遂に、イランの外交努力とジブラルタル海峡最高裁の判決により、先月イギリスの海兵隊に拿捕されていたイランのタンカー・グレース1が、国際海域上の本来の航路に戻ることになりました。
ジブラルタル最高裁は15日木曜、イランのタンカー・グレース1の拿捕継続および差し押さえというアメリカ政府の要請を退け、同タンカーの解放命令を出しました。
ジブラルタル最高裁のこの判決は、イギリスの経歴に更なる失敗の1頁を加え、同時にアメリカの面目を完全につぶす結果となりました。アメリカの過度の要求がメディアに取り沙汰され、同国トランプ大統領が世論の間で事実上侮辱される形になったからです。
英政府が出していた解放条件にイランが反発を示す中でグレース1が解放されたことは、改めて国際政治の現場や外交の舞台においてイランが勝利したことを示します。
さらに、ジブラルタル最高裁がアメリカ側からの差し押さえ要求を振り切って、グレース1の違法な拿捕の解除という判決を出したことは、イギリスが依然としてアメリカを信用せず、常にアメリカのために行動する意向のないことをうかがわせます。
こうした条件下において、イギリスはペルシャ湾での緊張の継続を望んでいません。それは同国が現在EU離脱問題・ブレグジットの危機に直面していることも一因です。
英海兵隊は、グレース1を違法に拿捕したものの、自国の目的を達成することはできませんでした。しかし、イラン南部ホルモズ海峡で英タンカーを拿捕したイランの合法措置は、英米を初め西側諸国に対し、イランが違法行為に断固として対処し、こうした状況では優位な立場にあり、取引に応じないことを示したのです。
ジブラルタル海峡でのイギリスの海賊行為は、海事法内の複数の条項への違反に相当します。しかし、イランがイギリスのタンカーを拿捕したことは、海事法の施行という意味合いに基づいたものでした。
イランは、ペルシャ湾やホルモズ海峡での航海上の安全確立に決定的な役割を果たす国として公然と法律を遵守・履行し、イギリスの政治の犠牲にすることはありません。グレース1の解放という最高裁の判決は、タンカーをめぐる事件で、イギリスがイランに敗北したことを意味するものでもあるのです。
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