世界におけるイランの位置づけ(18)
世界におけるピスタチオ生産量
皆さまは、イランがピスタチオの生産量において世界で第2位であることをご存知でしょうか?
イランは農業生産品の3分の1の品目において、世界で10位以内の生産量を誇っています。今回は、それらの世界生産量で高位を占める品目のひとつ、ピスタチオとその生産についてご紹介します。
ピスタチオは、西アジアと中央アジアを原産とする低木で、イラン、シリア、トルクメニスタン、アフガニスタン西部などに生育しています。ピスタチオの木は、非常に美味な食物となる種子をつけます。ピスタチオという名前はペルシャ語の「ペステ」が語源であり、ラテン語を通じてヨーロッパ諸語に取り入れられました。ピスタチオの中でも主要なものは、殻の中身が大きく横長の「アクバリ―」と呼ばれる品種で、世界の市場では「スーパーロング・ピスタチオ(super long pistachio)」として名を知られています。この品種は、売買されるピスタチオの中で最も重要な位置を占めています。この品種を主に生産するのはイランのみで、南東部ケルマーン州のラフサンジャーンやアナールといった地域で収穫されています。
イランと米国は、ピスタチオ生産と輸出における世界の二大国です。この二国だけでピスタチオ年間生産量の70~80%を占めています。米国のピスタチオはその90%以上がカリフォルニア州で生産され、イランのピスタチオはラフサンジャーンが最大生産地となっています。イランにおけるピスタチオの生産は数千年前に遡ります。一方、米国のピスタチオ栽培は1930年代にイランのピスタチオを移植するところから始まりました。
イランの年間ピスタチオ生産量は、平均しておよそ20万トンです。イランと米国のピスタチオは元をたどれば同じであるものの、イランのものはより良い風味を持ち、多くのヨーロッパの卸売業者が認めるところとなっています。米国に最初に植えられたピスタチオの苗や種子はイランから持ち込まれた品種でしたが、その後気候風土の変化によって味が変化しました。一方、トルコのピスタチオは別品種です。同国のピスタチオ生産量は、米国とイランに次いで世界第3位となっています。
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