イランとアメリカ
視点;イラン最高指導者による若者への勧告
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が17日日曜午後、学生のグループや複数の学生団体とのビデオ会合に臨み、圧制者、無神論者、覇権主義者らとの戦いにおいて、国家として希望に満ちた現状に言及し、理想を追い求めつつも現実的な旗印を掲げ続けるよう呼びかけました。
ハーメネイー師は、イランの置かれた状況を俯瞰するとともに、「現実として、今やイランの目の前には圧制や無神論、覇権主義の大規模な戦線が立ちはだかっている。これらの戦線はあらゆる手段や陰謀の限りを尽くして、イスラム体制を後退・屈服に追い込もうとしている。この思惑が現実のものとなってしまった場合、国家の将来に重大な代償が課されることになる。もっとも、神の恩恵と国民の抵抗・賢明さをもってすれば、覇権主義戦線がその目的を達成することはないだろう」と述べました。
イラン国民の敵は、特に若者をはじめとするイラン国民の自信や信念を萎えさせることこそが、イスラム革命の理念に打撃を与える唯一の策だという大きな誤算をしています。
米国は、この点に関して以下のような2つのシナリオを計画しています。
第1のシナリオは、イラン恐怖症という形でイランに責任を負わせて、地域での戦争や危機発生に米国が関与しているという事実から世論の目を逸らすことです。
第2のシナリオは、イスラム革命の価値観に疑問を突きつけ、覇権主義に対抗するイスラム共和制イランのソフトパワーに打撃を与えることです。
ハーメネイー師はこれらの事柄を説明する中で、イラン国民に対抗する敵の主要な目的は、諸国民にとって魅力的なモデルを作らせないこと、と指摘しました。
現実に、これまでの41年間、米国は常にイラン国民の能力を見誤り、そのために何ら成果を挙げないままでいるのです。こうした中、あらゆる出来事が起こるたびに、米国の真の本質が、イラン国民や地域・世界の国民にとって明らかとなり、反米感情が高まる結果を招いています。
ハーメネイー師はさらに、「米国はこれまで長年にわたり、莫大な資金をつぎ込んで、偽装や美辞麗句により自らのイメージアップをはかってきた。だが、今や米国という国そのものやその体制は、世界の大部分の地域において忌み嫌われている」と語りました。
また、「現在の反米感情の一端は、浅学不才で饒舌、論理に欠け、暴論を吐く大統領や国務長官ら、米現政権の責任者の行動に起因する」と指摘し、「もっとも、米国が嫌悪されているのはこれらの問題だけが理由ではない。殺害や犯罪行為、不公正、テロ、悪名高い専制政権への肩入れ、日々のさばるシオニスト政権イスラエルの圧制への無限の支援など、長期間にわたる米国の行動、そして最近の新型コロナウイルス危機管理でのこの上ない政権の無能ぶりのゆえである」と述べました。
米国は2001年以降現在まで、トランプ大統領やクリントン氏ら自身が米国の自作と認める、テロ組織アルカイダとの戦いを口実に、地域を歯止めの利かないテロリズムや情勢不安へと巻き込みました。こうしたテロや情勢不安の結果、地域内ではISISやそのほか数々のテロ組織が形成されることになりました。現在でも、米国は石油の存在を理由にシリアに軍を配備した、と公言さえしています。
ハーメネイー師はこうした現実を強調した上で、「米国はシリアとイラクのいずれにも残留できる運命にない。確実にこれらの国から追放されるべきであり、また必ず追放されるだろう」と語りました。
当然のことながら、反米感情は今や1つの現実です。米国はこの現実をもはや無視することはできません。しかし、イランは覇権主義戦線と真っ向から対峙し、革命に基づく全ての価値観を維持しながら発展してきました。そして同時に将来を担う重要な要素としての、革命・創造精神にあふれる若き人材をよりどころに、イスラム共和制を誇りに自らの目的を達成してきたのです。
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