イラン外相、「被災地サルダシュトは民間人に対する化学兵器使用の象徴」
ザリーフ・イラン外相が、同国北西部のイラク国境に面した都市・サルダシュトを、現代史における民間人や彼らの居住地区に対する化学兵器使用のシンボルだとしました。
1987年6月28日、当時のイラク・旧バアス党政権は化学兵器を使用して、サルダシュト市の人口密集地区4箇所を爆撃し、これにより同市の住民119人が殉教したほか、8000人以上が毒ガスを浴び、この化学兵器による中毒症状に巻き込まれました。
ザリーフ外相は、サルダシュト市でのこの大惨事の記念日にちなみ、化学兵器による犠牲者を追憶するとともに、「我々にとってかけがえのない人々であった化学兵器の犠牲者諸氏は、2度にわたって一部の西側政府の非人道的な政策の犠牲となった。西側諸国がかつて、化学物質と核兵器技術をイラクの旧独裁者サッダームに売り、最近ではトランプ前米政権の下で最も残忍な反人道的制裁行使に走り、それによって化学兵器による攻撃後に生き残ったわが国の人々の後遺症の苦しみを軽減するための医薬品や医療機器の調達・確保を妨害した」と述べています。
また、「我々の努力とOPCW化学兵器禁止機関の協力にもかかわらず、米新政権は前政権の失敗した政策に拘泥し、違法な制裁行使の続行により、化学兵器の犠牲者の医薬品や医療機器の確保・調達を阻止している」としました。
そして、「大量破壊兵器と制裁に共通しているのは、標的が誰でもよく、無差別であることだ」とし、「新型コロナウイルスによって引き起こされた世界的な危機は、これを克服するための国際協力の強化の必要性を再び知らしめるとともに、一方的な措置は効果がなく、失敗する運命にあることを裏づけている」と語っています。
人口12万人を有するサルダシュト郡は、イラン北西部・西アーザルバーイジャーン州に属し、イラクとの国境から100キロの地点に位置しています。
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