視点
天然ガスー21世紀の持続可能な発展への応え
主要な天然ガス産出国で構成するGECFガス輸出国フォーラム・第6回首脳会合が22日火曜、「世界におけるエネルギーの安全保障」を議題とし、議長国カタールの首長の演説とともに開催されました。
今回のフォーラムには、イラン、アルジェリア、エジプト、リビア、ナイジェリア、カタール、ロシア、べネズエラ、トリニダード・トバゴのほか、オブザーバー国であるアゼルバイジャン、イラク、マレーシア、ノルウェー、UAEラブ首長国連邦の各国の首相や大統領、エネルギー大臣らが参加しています。
ライースィー・イラン大統領は今回のフォーラムにて、複数の明白な議題に関して演説しました。まず第1に、この組織の目的が各加盟国の国家主権への支持および、天然ガス採掘に向けたさらなる協力にあることです。第2に指摘した点は、この組織の目標や使命の追求という枠組みでの、天然ガス需要の安全を向上させる必要性であり、それによってこの組織が中・長期間でのエネルギーの恒常的な確保と保証に向けた透明性のあるメッセージを表明できるようにすることです。
ライースィー大統領はまた、「GECF構成国としての我々のアプローチは、世界市場へのより多くの天然ガスの供給、並びに人道的な側面を伴ったアプローチに向けたものだ」としました。
イランは、世界最大の天然ガスの埋蔵・備蓄量を誇る国の1つであり、国内に延べ33万8000kmものガス供給網を有し、この分野を先導する国のひとつとされています。また、イラン国内の現存インフラや地理的条件などの点から、アジアや西側諸国へのガス移送にとって最良の選択肢・手段になりえる存在でもあります。
イランは現在すでに、およそ34兆m3もの天然ガス埋蔵が確認されており、今後数十年間のエネルギー確保にふさわしい状況に恵まれています。ライースィー大統領の見解では、天然ガスはクリーンで安全な燃料の1つとして、また採掘可能な豊富な可採埋蔵量があることから、今後数十年において世界の消費エネルギー構成要素のうちの相当の部分を占めることになり、またほかの燃料と比較した場合のこの天然資源の経済・技術、環境面での利点が今後とも維持されるだろう、とされています。
エネルギー問題専門家のメフディー・アスギャリー氏は「長期的に見て、人口増加や経済成長とともに、天然ガスの消費も増大するだろう」と述べています。
GECF首脳会合の開催は、改めて世界レベルでのこのエネルギー移送の重要性を浮き彫りにした形となりました。EUをはじめとする西側諸国はほかのエネルギーの利用開発に努めているものの、複数の研究調査からは、今後数十年間は特に天然ガスをはじめとする化石燃料が依然として、各国のエネルギーやそのほかの消耗品の確保において、極めて高い重要性を維持するであろうことが分かっています。この点に注目すると、このエネルギー組織は、天然ガスの生産・輸出国間の連携や秩序化、そして天然ガス輸出関連の政策決定において、幾重にも及ぶ重要性を有しているといえます。
イランは、2001年にテヘランにおいてGECF創設を統率しました。最終的に、閣僚級での複数の会合の開催後、この組織は2008年12月23日にロシア・モスクワでの第7回閣僚級会合の中で国際機関としての正式発足が決定されています。この組織の創設以来、これまでに23回にわたる閣僚級会合が、また5回の首脳急会合が開催されています。この組織の加盟国は、世界の天然ガス貿易全体の43%、そして世界で確認されている天然ガス埋蔵量の71%、天然ガス貿易量の58%、さらに、ガス輸送パイプライン全体の52%を占めています。
アメリカは覇権主義的で一方的な政策にのっとり、液化天然ガスの増産と、ロシアの天然ガス供給との競争に向けた、特に欧州をはじめとした世界市場への覇権の増大化に熱を上げています。しかし、GECFの存在は天然ガス輸出国の利益の維持や組織化、そして国際天然ガス市場におけるアメリカの破壊行為への対抗に大きな役割を果たしうるのです。

