3月 03, 2022 20:34 Asia/Tokyo
  • イランのタフテラヴァーンチー国連大使
    イランのタフテラヴァーンチー国連大使

国連総会緊急特別会合においてウクライナ危機に関する決議が採択されたことを受け、イランのタフテラヴァーンチー国連大使が、「総会に提出された決議は中立的でなく、平和的手段による問題解決に向けた現実的なメカニズムを欠いている」と述べました。

国連総会のウクライナ危機に関する緊急特別会合は開催3日目となる現地時間2日水曜、ロシアによるウクライナでの特殊軍事作戦を非難しロシア軍の即時撤退を求める内容の、日本を含む約96カ国が共同で提案した決議案が、賛成多数により採択されました。

同案に対する票の内訳は、賛成141、棄権35、反対5というもので、反対票を投じたのは、ロシア、シリア、ベラルーシ、北朝鮮、エリトリアの各国でした。

このような中、持ち回りである安保理議長国のロシアの任期は先月末で終わりを迎えました。

イルナー通信によりますと、タフテラヴァーンチー国連大使は同案票決後の演説において、「イランは、ロシア・ウクライナ間で現在起きている争いを、深い憂慮とともに注視している」と述べました。

続けて、全国連加盟国がこの決議案の編纂にかかわったわけではないことに触れ、「我々は、全ての国の主権および領土保全が完全に尊重され、また、全民間人の安全が保証されるべきであることを強調する」としました。

さらに、「イランは、意見対立の平和的解決の必要性に関する自国の基本的立場は国際法との一致にあると説明しており、全関係方面の措置が、完全に国連憲章にある基本原則や国際法、特に人権関連法と合致すべきであるという点を強調している」としました。

さらに、戦争や紛争はどこで起ころうと、人々の生命や非軍事インフラに損害を与える原因となるために受け入れられるものではないとして、「イランは現在の争いにおいて、暴力の即刻停止と緊張緩和を求める」としました。

その上で、「この点に関してイランは、恒久的な結果を得るために、全関係方面がそれぞれ抱く不安について話し合う必要があると強調する」としました。

また、国連は、特に国際的平和と安全に関する問題の調査において、常にダブルスタンダード的な行動を回避すべきであるとして、「残念なことに国連、中でも安保理は、このようなことに徹頭徹尾頓着せず、その信用失墜につながっている」と指摘しました。

ロシアは、自国の国境付近における西側の最近の動きを受けて、先月24日にウクライナ東部のドンバス地方で特殊軍事作戦を開始しました。

ロシアのプーチン大統領はこれに関して、ウクライナ領土占領の意図は持っていないと表明しています。

西側諸国は、緊張緩和を目指す努力をする代わりに、ロシアに対してこれまでにない強硬な措置を取り、ウクライナに武器などを供与しています。EU加盟諸国はロシアの航空各社に対しても、領空の飛行を禁じています。

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram    Twitter    urmediem


タグ