6月 05, 2016 20:14 Asia/Tokyo
  • イランのテロ支援に関するアメリカの主張へのイランの回答

イラン外務省のジャーベリーアンサーリー報道官が、イランをテロ支援国家のリストに加えたアメリカの最近の行動を受け、声明を発表しました。

アミーンザーデ解説員

この声明では、「テロに関するアメリカ国務省の新たな年次報告においては、イランに対するテロ支援の偽りの主張が正当化され、明らかな事実が嘲笑されており、アメリカ国務省の報告が信用できないものであることを示す最良の証拠になっている」とされています。

アメリカは、テロを、自分たちの政治的な目的に沿った形で定義しています。彼らの定義は、独立、自由、占領からの解放を実現するための占領下にある国民の合法的な闘争を、テロに相当すると見なすものです。たとえば、アメリカは、パレスチナ領土を占領するシオニスト政権イスラエルに対するパレスチナのグループの抵抗運動をテロと見なしています。これに基づき、占領者に対する彼らの闘争へのイランの支援は、テロへの支援と見なされています。

こうした中、アメリカは、国家テロの最大の支援者として、この数十年、シオニスト政権を無条件に支援し、パレスチナの占領下にある人々の最低限の権利を奪い、彼らに恐怖の中での生活を強いてきました。

アメリカのダブルスタンダードは、テロに限られず、人権の問題においても見られます。

テロとの戦いにおける西側の主張は、根本的に事実に反する性質を持っています。欧米諸国は、アルカイダやISISといったテロ組織の誕生に関与し、自分たちの不当な利益を確保するために彼らを支援してきました。実際、アメリカのテロに対するダブルスタンダード、欺瞞的な対応、プロパガンダが、地域や世界におけるテロの拡大の主な要因になっています。

アメリカは、テロや過激派を支援し、サウジアラビアやその他の同盟国によるこの悪しき現象への資金や政治面での大規模な支援を黙認することで、イエメンからリビアに至る何百万人もの人々を苦痛と恐怖に陥れ、住む家を失わせています。

イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、昨年、欧米の若者に宛てた2通目の書簡の中で、このダブルスタンダードをテロと過激派の拡大の最大の要因として挙げました。そしてイスラエルの国家テロへの支援は、西側の政策における明らかな矛盾だとし、なぜこの犯罪政権は、影響力のある同盟国、あるいは少なくとも、表面的に独立した国際機関から真剣に非難されることがないのだろうかと疑問を呈しました。

アメリカは、テロとの戦いを名目に、中東地域で3つの目的を追求しています。第一の目的は、地域に危機を作り出すことであり、それはテロとの戦いを口実に拡大しています。第二の目的は、イスラエルにとって安全な地帯を作るためのイラン恐怖症の拡大です。実際、アメリカにとって、テロとの戦いの主張において重要なのは、シオニスト政権の立場を保持し、シリア、レバノン、パレスチナでの抵抗勢力の輪を弱めることです。そして三つ目の目的は、地域の分割プロジェクト、あるいは、アメリカとイスラエルによって、大中東計画として何年も前に提起された新たな中東の構想の実現です。とはいえ、この目的を推進する上では、イラクやシリアのISISへの支援を通じての、トルコ、サウジアラビア、カタールといった地域諸国の役割が鍵を握ります。

イラン外務省の声明にもあるように、アメリカは、このような過去により、責任を逃れ、他国の政府や国民をテロへの支援で非難することはできません。一方でイランは、アメリカの支援下にあるグループのテロによって、1万7000人という世界最大の犠牲者を出した国となっています。

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