4月 25, 2024 16:19 Asia/Tokyo

イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師は24日、同国の現場労働者ら数千人と面会し、「欧米がイランに制裁を科す目的は、イラン国民・体制を完全に屈服・服従させることだ」とし、「偉大なイラン国民とイラン・イスラム共和国は、強権・強欲に屈することはなく、制裁を進歩の機会に変え、明るい未来をつかむ」と述べました。

ハーメネイー師はこの中で、

「欧米は、イランの富、名誉、政治が他国と同じようにアメリカの手中にあることを望むが、イラン・イスラム共和制と偉大なイラン国民は彼らに屈服することはない」

と述べました。

また、欧米が言う「前例のない」制裁に触れずに経済問題を語ることはできないとして、

「欧米はイランを制裁する目的として、核問題や人権、テロ支援活動といった嘘の理由を並べる」

としました。

 

女性労働者ら

 

ハーメネイー師は、そのような欧米による嘘の一例としてパレスチナ・ガザを取り上げ、

「彼らの見方では、空爆下にあるガザ市民はテロリストである。しかし、半年間で子供を含む4万人近くを殺したシオニスト政権はテロリストではないのだ」

と述べました。

一方、核問題については、自身が数年前の演説で「アメリカは、イランがどれだけ譲歩すれば満足するのかを明確にすべきだ」と述べたことに触れ、

「(アメリカは)北アフリカに対してそうしたように、イランが原子力分野で一切の進歩を止めることを望んでいる。だから、イランがどれだけ譲歩すべきかを明確にしない。核技術は医療などの分野においても必要なものだ」

としました。

 

ハーメネイー師の写真を掲げる女性

 

また、制裁は国の経済に対する打撃であり、問題を引き起こすものであるとしつつ、

「しかし、この制裁がイラン国内の潜在可能性を開花させることにもなった」

と述べました。

ハーメネイー師は、制裁という敵の行動すらも成長の機会にすることを、「生きた国民の証」としました。

これに関して、イラン国内における兵器開発の例をあげ、

「イランが制裁下でこれほどの最新兵器を開発していることに、世界が驚いている」

としました。そして、

「神の御望みがあれば、さらに進歩・改良した兵器が生産されるだろう。もっとも、この進歩は兵器に限ったものではない。医療、衛生、産業、テクノロジーの分野でもイランは世界をリードしている。今は後れをとっている分野もあるが、それも努力すれば進歩に変わるだろう」

と述べました。

ハーメネイー師は、制裁の効果は薄れてきているとし、

「最近、国際機関が出した報告では、イランのGDPは増えている。これはつまり、イラン国内での生産活動が増えているということであり、制裁がイランを挫けさせることができなかったということだ。この(イラン国民の)気概はさらに強化されるべきだ」

と述べました。

ハーメネイー師はまた、欧米でパレスチナ支持のデモが広がっていることに触れ、このことがガザを支持するイランをテロ支援国家と非難してきた者たちの面目を失わせることになったとし、

「イランだけではなく、すべての国民がパレスチナを支持している」

と述べました。

ハーメネイー師は、この日の演説のまとめとして、

「敵がイランと対立するのは、イランが彼らの強権主義に従わないことが理由であることは、イラン国民にとって明らかだ。彼らの政策は失敗し、後れており、神や人間の天性が持つ価値とは反するものだ。西側の専門家自身が、アメリカの200年にわたる神話が崩壊しつつあることを認めている」

と語りました。

その上で、イラン国民がこうした欧米の政策に追従することを期待するのは無駄なことだとし、

「イラン国民は力強く立ち続ける。そのことを行動で、考えで、労働で、国民の団結で示す必要がある。怠慢や弱さに流されることがなければ、進歩のための大きな機会が巡ってくるだろう。イラン国民は、神の知恵により明るい未来を見ることになる」

と述べました。

ハーメネイー師は、労働者らの日頃の働きぶりに感謝し、預言者ムハンマドが労働者の手に口づけをしたエピソードに触れ、

「イスラムは労働に価値を見出している。コーランやハディースの教えによれば、ハラールな収入を得るために努力する者は、礼拝などと同じように正しい行動である」

と述べました。

 

ハーメネイー師との面会に出席した労働者

 

そして、こうした「イスラム的労働観」に人々が注目することが国の進歩につながるとし、

「物質的世界は労働者を富を生産する手段としてしか見ていない。しかし、イスラムは労働の価値を認めるがゆえに、労働者に本質的価値を見出す。預言者ムハンマドも、『神は正しい仕事をする者を好む』と言っている」

と語りました。

 

 

 


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