IAEA理事会会合で、イラン代表が自国の原則的な立場を説明
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IAEA理事会会合
在オーストリア・ウィーン国際機関のガーエビー・イラン常駐代表代理が、核合意のほかの署名国が自らの責務を履行していないとして批判し、アメリカによる違法な核合意離脱、並びにこれと同時の人道に反する、圧政的・一方的な制裁行使について、IAEA国際原子力機関理事会のメンバー国に説明しました。
アメリカとヨーロッパ3か国(英独仏)は、IAEA理事会に共同で提出した決議案において、「イラン国内の未申告の施設で見つかったウラン粒子に関連する問題が解決されていないことは、大きな懸念材料である」と主張しました。
また、「イラン側の不十分な協力」のために一連の対立や保障措置の問題が解決されていないとして、「保障措置関連で残された全問題の解決に向けたさらなる協議という、IAEAからの提案を直ちに受け入れる」ことを、イランに対して求めています。
ガーエビー代表代理は、IAEA理事会においてイランの原則的な立場を説明する中で、「制裁は、世界中の独立した個人や企業の活動に圧力をかけるだけでなく、イランとの貿易や核合意を支持する国、および国際機関の外交政策の選択にも悪影響を及ぼす」と語りました。
さらに、アメリカの核合意離脱および、制裁再発動後の1年間にわたるイランの核合意関連の完全な責務履行に触れるとともに、「核合意の第26条および第36条に基づく義務履行におけるイランの行動は合法的だった」とし、「アメリカの行動は法的な対抗措置または報復と見なすことはできず、それらは国際法に違反し、明らかに国連憲章をも脆弱化させる権力の乱用以外の何ものでもない」としています。
そして、制裁の対象外とされている医薬品や医療機器の分野を含む、イランの一般市民に対する米国の違法で非人道的な行動を指摘し、「各国政府、特に言葉上では核合意への支持を声高に叫んでいる英独仏およびEU諸国は、自らが米国の違法な制裁の悪影響を緩和するために、実際にどの程度の支援を行ってきたか、について考えるべきだ」と語りました。