警察庁長官が臨時会見、「極めて重く受け止めている」
安倍元首相の銃撃事件を受け、警察庁長官が臨時記者会見し、「警察としての責任を果たせなかった。極めて重く受け止めている」として責任を認めました。
日本の報道各社によりますと、安倍晋三元首相が奈良市で参院選の街頭遊説中に銃撃されて死亡した事件について、警察庁の中村格長官は12日火曜、臨時の記者会見を開き、「警察としての責任を果たせなかった。極めて重く受け止めている。慚愧(ざんき)に堪えません」と述べました。
その上で「警護の配置などに問題があった。長官としての責任は誠に重い。今の段階で果たすべき責任は警護・警備の問題を早急に洗い出し、重大事案が二度と起こらないよう見直しを行うことだと考えている」と語っています。
また、今回の奈良県警の警備について「警護・警備体制や後方の配置などについてはしっかり検証すべきだ。現場での銃器への対応は十分だったか。予兆の乏しい人に対する対応は十分だったか。緊急時における対応が十分だったか。問題なしとは言えないと思っている」と強調しました。
一方、警察庁の関与について「元内閣総理大臣の警護の実施に当たっては(地元県警が)警備計画を警察庁に報告する必要はない。ただ、これは言い訳にならないと思っている。これで本当によかったのか。(警察庁は)警護において現場における決まりを作る立場でもあり、その立場から必要な見直しはしていくべきだと思っている」と述べています
警察庁は同日、警備体制の問題点を調べる検証チームを発足させており、中村氏は「問題点を洗い出し、それをもとに警護・警備の強化に向けた見直しのあり方をしっかり検討したい」としました。
そして、「今の段階で、私の果たす責任は検証と見直しに全身全霊を向けること。二度とこのような重大な事故が起きないようにやっていきたい」と結んでいます
警察庁長官が、個別の事件で責任を認めるのは異例のことです。