岸田首相がNY入り、NPT会議で今夜演説へ
日本の岸田文雄首相が先ごろ、NPT核兵器不拡散条約再検討会議に出席するため、アメリカ・ニューヨークに到着しました。
しかし、岸田首相の核軍縮の訴えとは逆に、日本は「他の核保有国が参加していない」という理由で、去年発効した核兵器禁止条約には参加していません。
日本政府のこうした矛盾をはらむ対応は、日本被団協・日本原水爆被害者団体協議会をはじめとする被爆者らなどから強く非難されています。
日本の報道各社によりますと、岸田首相は日本時間8月1日午前、NPT再検討会議に出席するため、政府専用機で米ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港に到着しています。
岸田首相は、今回の会議で1日午前(日本時間同日深夜)に、日本の首相として初めて出席・演説することになっており、「核兵器のない世界」の実現に向けたロードマップ(行程表)を示し、核軍縮・不拡散に関する現実的な取り組みを進めるよう各国に求める見通しです。
またこの演説では、核保有国に対し、核兵器不使用の継続の重要性を訴えるとともに、核戦力の透明性の向上を促すことなど、核兵器のない世界の実現を目指す、日本の取り組みを説明し、NPT体制の維持・強化に向けた建設的な対応を呼びかけることにしています。
さらに、この機会に国連のグテーレス事務総長と会談を行うほか、核軍縮で日本と同じ立場の、非核保有国によるNPDI軍縮・不拡散イニシアチブの会合にも出席する予定です。
岸田首相としては、来年5月に自身の出身地でもある被爆地 広島で開くG7サミット主要7か国首脳会議も見据え、核兵器廃絶への機運を高めていきたい考えです。
世界の核軍縮の方向性を議論するNPT再検討会議は、ニューヨークの国連本部で1日夜遅くから始まります。
今回の会議では、ロシアによるウクライナでの特殊軍事作戦で核の脅威が高まる中、国際社会が核軍縮に向けて一致できるかどうかが焦点となっています。