4月 11, 2023 19:30 Asia/Tokyo
  • 北方領土
    北方領土

日本の外務省が、2023年版外交青書(2022年1月1日から12月31日までの国際情勢と日本の外交活動を概観したもの)において、「北方領土は現在ロシアに不法占拠されている」との表現を再び使用しました。

日本の報道各社によりますと、日本政府は11日火曜に発表したこの令和5年外交青書において、北方領土(ロシア側呼称;南クリル諸島)にまつわる項目で、「北方領土は日本が主権を有する島々であり、日本固有の領土であるが、現在ロシアに不法占拠されている」との表現を再び用いました。

また、「日露関係にとって最大の懸案は北方領土問題である」とし、ロシア側が平和条約交渉を継続しないと決定したことについては「極めて不当であり、断じて受け入れられない」と明記されています。

一方、ウクライナ情勢を受けて「日露関係は厳しい状況にあり、今この時点では、平和条約交渉の展望について述べる状況にない」としながらも、「政府としては、領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持していく考えである」と強調されています。

さらに、北方墓参をはじめとした四島交流等事業の再開については「今後の日露関係の中でも最優先事項の一つである」とされ、「政府として一日も早く本件事業が再開できるような状況となることを強く期待している」と記されています。

なお、エネルギー分野については「石油・石炭を含め、ロシアのエネルギーへの依存をフェーズアウトすることとしている」としながら、ロシアにおける石油・天然ガス開発事業「サハリン1」、「サハリン2」については、「日本のエネルギー安全保障上重要なプロジェクトであり、権益を維持する方針である」と示されています。

一方、中国については、昨年末に改定した国家安全保障戦略に合わせて「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と位置付け、中国とロシアが軍事的協力を強めていることに「重大な懸念」を示しました。

韓国については、日本による植民地時代の徴用被害者への賠償問題を巡り韓国政府が先月6日に解決策を発表した事実に触れ、韓国が竹島(韓国側呼称;独島に)に警備隊を常駐させるなど国際法上何ら根拠もなく不法占拠している、と主張しています。

また、「グローバルサウス」と呼ばれる、新興国・途上国についての記述を初めて盛り込み、これらの国々について「存在感が増している」と指摘していて、「できるだけ多くの国と連携していくことが極めて重要である」としています。

中国など新興国の台頭によって国家間競争が激しさを増し、アメリカや日本などがリードしてきた国際協調の潮流は弱まったと指摘し、こうしたことから、国際社会は「歴史の転換期」にあると指摘しています。

 


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