日本は、イランからの原油の輸入を続けるか?
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日本の原油の輸入
アメリカの核合意離脱後、世界は、アメリカ財務省による制裁復活後のイラン産原油の輸出がどうなるかについて注目しています。
イラン産原油のアジアの重要な顧客は、中国、韓国、インド、日本です。これらの国は、イラン産原油に対する今後の政策について決断を下さなければなりません。恐らく、原油を購入するか否かという問題は、表面的には経済問題に見えますが、イラン産原油の購入に関しては、完全に政治的な問題になるでしょう。
日本は、イラン産原油の輸入国のひとつです。報告によれば、2011年にアメリカの対イラン制裁が始まる前のオバマ政権時代、日本政府の原油輸入のおよそ9%をイランが占めていました。しかし、2017年の核合意が実施された後には、それが5%になりました。そして現在、対イラン制裁の復活前、イランは日本にとって6番目の原油の輸入先となっています。
日本政府は常に、世界第4位の原油埋蔵量を誇るイランとの関係を適切な状態に保とうとしてきました。制裁復活がささやかれたときにも、共同通信は、6月21日の報告の中で、「安倍首相は恐らく、7月にイランを訪問し、イラン大統領と会談を行うだろう」としました。
アメリカ政府は、同盟国に対し、11月4日までにイランからの原油の輸入をゼロにするよう求めています。こうした中、日本の当局は、アメリカ政府と交渉を進めていると語っています。菅官房長官は、これについて、「日本政府は、アメリカの対イラン制裁の影響を注意深く検討中であり、この制裁が日本の企業にマイナスの影響を及ぼさないようにするため、アメリカ政府やその他の国々との協議を続けていく」と語りました。
菅官房長官は、詳細には触れずに、「日本とアメリカは、現在、イランに対する制裁の復活に関して協議中であるが、協議の詳細に関して明らかにすることは控える」と語りました。
日本の石油連盟の月岡会長は、イランからの原油の輸入を続けるか否かに関する日本の決定は、8月の初めに明らかになるだろうと予想しています。月岡会長によれば、日本は、中国、韓国、インドがどのような決定を下すかを待とうとしています。
月岡会長が指摘した点については、さらなる注目が必要です。「日本は、アジアの他国の反応を待ち、その後に決定を下す」というのは、日本の戦略を説明する上でヒントになるものです。
オバマ政権の制裁の時代、日本の政策は、アメリカの指示に同調するものでした。この指示により、日本はイランからの日本企業の石油の輸出を減らしていました。この時期、それぞれの国が6ヵ月後ごとに原油の輸入を20%削減していました。このように、日本のイランからの原油の輸入は停止こそしていませんでしたが、アメリカの見解に従って削減されました。
しかし今回、トランプ政権の政策は、オバマ政権の政策よりも厳しいものになっています。トランプ政権は、11月4日までにアメリカの同盟国にイラン産原油の輸入を停止させようとしています。日本は第二次大戦後、アメリカの同盟国であり、もし日本が前回と同じような流れを守ろうとすれば、アメリカの支持に従い、アメリカと合意した時期にイランからの原油の輸入を停止しなければなりません。
また、日本のアメリカへの安全保障上の依存を別にしても、最近、東アジアでは、日本政府にとって非常に重要な問題が存在しています。それは、アメリカと北朝鮮の会談です。この会談が進められている中で、アメリカ寄りの日本は、アメリカとの間に溝を作る理由はありません。当然のことながら、北朝鮮の安全保障上の脅威は、日本にとって、イランからの原油の5%の輸入以上に重要です。
こうした中、月岡会長が語った内容は、日本がある一つの場合にだけ、イランからの原油の購入を続ける可能性があることを示しています。その場合とは、他のアジアの輸入国が、アメリカとの妥協に至り、イランからの原油の輸入継続が可能になった場合です。そしてそうなれば、日本も恐らく、同様の妥結によって、イランからの原油の輸入を、たとえ輸入量を削減したとしても、続けることができるでしょう。
アジアの中で、韓国もアメリカに追従していますが、もし中国とインドがそのような妥協策を見つけることができれば、日本と韓国にとっても道が切り開かれることになります。
いずれにせよ、イラン産原油の輸入の継続か停止かに関する日本の決定は、経済的な問題というよりも、国際政治の影響を受けることになるでしょう。その中では、原油の購入は目的ではなく、手段と見なされることになるのです。