4月 30, 2016 20:47 Asia/Tokyo
  • 日本外相の中国訪問                              

日本の岸田外務大臣が、アジア歴訪の最初の国として、29日金曜、中国に入りました。岸田大臣はこの後、ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナムを訪問する予定です。

ガッファーリー解説員

中国と日本の尖閣諸島の領有権を巡る緊張が高まる中、日本は、中国との関係を改善するために外交手段を用いようとしているようです。岸田外相は、中国の王毅外務大臣、李克強首相、楊けつち国務委員との会談で、二国間問題を提起し、力強い隣国との関係を改善しようとしています。

王外相は、この会談で、「中国と日本の関係は、対立ではなく、協力の原則に基づいたものでなければならず、その場合中国は、日本がどの程度、関係改善に関心を持っているかを、この国の行動に基づいて評価するだろう」と強調しました。

中国は、日本が中国との関係改善に対して期待感を表明するだけでは十分ではなく、行動でもそれを示すべきだと考えています。王外相は、中国政府は、日本の誠実な行動を歓迎するだろうとしました。

安倍総理大臣は、2007年に政権を握った際、この年は日本の外交の年、中国との関係改善に向けた機会だとしました。そのため、安倍首相は、就任からわずか1週間で、中国と韓国を訪問しました。なぜなら、日本の中国や韓国との関係は、小泉首相の時代に領土問題を巡る対立の高まりによって悪化し、この2カ国と日本の投資や貿易にも影響が及びました。果たして安倍首相は、それまでの首相に比べて近隣諸国に対する政策に優れているでしょうか?

2009年から2011年まで、民主党が自民党に代わって政権を握り、民主党の首相たちは、中国との協力を進め、領土問題が問題にならないほどでした。しかし、中国がこの時代、領土問題に集中したため、民主党でさえ、領土問題をレッドラインとし、中国との協力を継続することができませんでした。2011年以降、自民党が政権を取り戻しましたが、今まで、特に安倍首相は、日中の協力の肯定的な兆候と見なされるあらゆる行動を控えました。こうした中、安倍首相ははっきりと、小泉首相と同じようには行動しないこと、それとは異なる政策を特に中国に対して取ることを明らかにしています。

自民党と民主党のこのような流れから、この2つの指導部は戦術は異なるものの、戦略においては同じ考えであることが分かります。

一部の政治評論家は、「安倍首相は、中国との協力の多くの機会を失っており、同時に、一部の行動によって中国の怒りを招いている」と語っています。安倍首相や日本の国会関係者の靖国神社参拝も、中国の怒りを買っています。

アジアの多くの場所におけるアメリカの防衛計画への日本の参加も、中国の感情を逆なでしています。およそ70年間、アメリカ軍が日本に駐留していることは、長期的に見れば、ある意味でアジアにおける中国を挑発するものと見なされています。中国が自国への脅威と見なす日本での軍隊の復活も、中国にとっては好ましい出来事ではありません。さらに、北朝鮮の主権侵害における日本とアメリカの同調は、アジアにおける中国の存在に疑問を呈するものと見なされます。

このような変化や日本の立場に注目した上で、アジアの2つの大国、2つの隣国の今後の協力を肯定的に捉えることが、果たしてできるでしょうか?

明らかに、岸田外相の中国訪問における発言や両国の問題に対する中国の王外相の発言の真意は、両国の外交関係の中に探るべきでしょう。そうすれば、この会談での成果に関してよりよく評価できるのです。

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