沖縄米軍ヘリ不時着ヘリ離陸に地元紙が反応、「県民に説明責任果たせ」
(last modified Wed, 09 Jun 2021 10:28:54 GMT )
6月 09, 2021 19:28 Asia/Tokyo
  • 沖縄米軍ヘリ
    沖縄米軍ヘリ

沖縄県うるま市津堅島で不時着し5日間にわたって農家の畑を「占拠」していた米軍普天間飛行場のUH1ヘリが今月7日、点検や修理を終え離陸しましたが、疑問は依然として残されたままとなっています。

沖縄の地元紙・沖縄タイムスの社説によりますと、今月8日になって、海兵隊のオーウェンズ大佐が、津堅自治会長を訪ね「不安を与えた」と謝罪したものの、中村正人うるま市長が求めた事故原因の究明と安全管理が徹底されるまでの同型機の飛行停止、再発防止策の策定と公表は、無視された形となっています。

事故当時、乗員は警察の聞き取りに「エンジンの故障で着陸した」と説明したというものの、何の訓練をしていて機体がどんな状態だったのか、米軍から具体的な説明はありませんでした。

また米軍は「予防着陸」と説明していますが、普天間に戻ることができないほど差し迫った状況だったのではないか、疑念は拭えないままです。

不時着前には、住民にはが「ゴゴゴゴ、という地響き」や「なにか濁ったような、故障しているようなエンジン音」が聞こえ、民家上空を通過する際の聞き慣れない異常な音が住民の不安をかき立てた形となりました。

普天間所属機による民間地域での事故は頻繁に発生しています。

04年の沖国大ヘリ墜落を契機に、米軍機事故の現場立ち入りに関するガイドラインが策定されたものの、現場に近い「内周規制線」への立ち入りには、米側の同意が必要とされ、今回も県警が現場検証できない実態は変わっていません。

津堅島では、騒音防止協定で「必要最小限」に制限されている午後10時を過ぎた訓練も度々、目撃されているということです。

沖縄タイムスによりますと、今回の不時着では、連絡体制の不備も改めて浮き彫りとなった上、県に沖縄防衛局から一報があったのは、不時着から約3時間後、続報はさらに14時間後だったとされています。

米軍の訓練や事故によって、被害を受けるのは基地周辺の住民であり、次は、民家に落ちるのではないかと不安に感じている人も少なくありません。

沖縄タイムズのこの社説は、「日本政府は、うるま市が求める夜間訓練中止や飛行経路変更を米側に働き掛けるべきだ。『島の上空を飛ばないでほしい』という住民の切実な声に耳を傾けてもらいたい」と強く訴えています。

また、「飛行訓練激化で地域住民の暮らしが危険にさらされるようなことがあってはならない。海兵隊側の連絡体制が機能しているかも含めて、検証が必要だ」とし、 「県や国は、米軍を交えて事故対応に関する協議会を開き、住民の不安を和らげる情報共有の在り方や再発防止策を早急に示すべきだ」と提言しています。

 

ラジオ日本語のユーチューブなどのソーシャルメディアもご覧ください。

https://twitter.com/parstodayj

https://www.instagram.com/parstodayjapanese/

http://urmedium.com/c/japaneseradio