岸田首相、核共有を否定も核の傘は「重要」
(last modified Mon, 14 Mar 2022 14:01:51 GMT )
3月 14, 2022 23:01 Asia/Tokyo
  • 14日月曜の参院予算委員会
    14日月曜の参院予算委員会

岸田首相は14日月曜の参院予算委員会で、核共有の議論をあらためて否定する一方、アメリカの核の傘による抑止力については「重要」と述べ、これからも日米同盟の強化を進める考えを示しました。

NHKによりますと、岸田首相はこの日の委員会で、自民党の青山繫晴議員の質問に対し、「日米同盟の拡大抑止は大変重要な存在であり、防衛力の強化をしっかり考えていかなければならない」と述べました。

拡大抑止とは、日米同盟において、日本が核攻撃を受けた場合、アメリカの保有する核兵器による反撃を用意することで抑止力をはたらかせる考え方です。

岸田首相はその上で、アメリカの核兵器を同盟国間で共有する核共有の議論について、「非核三原則や原子力基本法をはじめとする法体系からしても認められない。日米同盟のもと拡大抑止は機能していると考えるからこそ、核共有の議論は考えない」と述べました。

また、共産党の井上参院幹事長が、日本政府の核兵器禁止条約への参加を求める意見を出したのに対し、岸田首相は「(同条約には)核兵器保有国は一国たりとも参加していない。我が国は核兵器保有国を動かすため、現実的な取り組みを進めていきたい​​​​​」として、従来の答弁を繰り返しました。

岸田首相はまた、国連安保理の常任理事国であるロシアがウクライナ攻撃を開始したこと触れ、「(ウクライナ戦争は)新たな国際秩序の枠組みの必要性を示している。我が国は従来から、常任理事国による拒否権の行使は最大限自制されるべきであると考えてきた」と述べた上で、「フランスをはじめとする安保理改革に前向きな国々とも協力しながら、努力を続けていきたい」としました。

一方、2022年度予算案に日露両国による経済協力プランが含まれていることについては、「今のこの状況で予算の修正は考えていない」と答弁しました。

このプランには、エネルギー、中小企業、極東の産業振興、輸出基地拡大など8分野における日露両国の経済協力が含まれており、ロシアによるウクライナ攻撃以降、野党から批判の声が出ていました。

 

ロシアは先月24日より、ウクライナ東部から独立を宣言したドネツク共和国およびルガンスク共和国を支援するため、ウクライナでの特殊軍事作戦を開始しました。

ロシア政府は、「ウクライナでの自国の作戦」は開戦目的ではなく、あくまでも世界レベルでの戦争の阻止が目的であるとしています。

しかし、日本やヨーロッパ諸国、アメリカを初めとする世界の多くの国は、直ちにロシアのこの行動を対ウクライナ戦争だとして非難し、ロシアに対する経済制裁・外交的圧力の強化を開始しました。

ロシアはこれに先立ち、何度も西側諸国に対し、ウクライナ東部のロシア系住民に対するウクライナ軍の攻撃や人権侵害が配慮されていないことに関して警告しています。

 


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