辺野古新基地の延伸工事が開始、一部のサンゴは許可なくそのまま着手
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辺野古新基地の延伸工事が開始
沖縄県名護市辺野古の新基地建設で沖縄防衛局は28日月曜午後、周辺に軟弱地盤が広がる大浦湾側で「K8」と呼ばれる護岸の延伸工事に着手すると発表しました。
NHKによりますと、アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古沖への移設工事で、沖縄防衛局は必要なサンゴの移植が終わったとして大浦湾側の護岸の延伸工事に着手しました。一部のサンゴは当初の計画で工事前に移植する予定でしたが、沖縄県の許可が得られず、そのまま着手することになりました。
沖縄の地元紙・沖縄タイムスによりますと、同日午後2時45分ごろ、すでに造成された護岸の先端付近にクレーンが移動しているのが確認されています。
県は、軟弱地盤の改良工事のための変更承認申請を不承認としたことで、埋め立て工事全体を完成させることがより困難になったとして、玉城デニー知事は「全ての工事を中止するべきだ」と指摘しています。
K8護岸は総延長515メートルにおよび、延伸予定地付近の「JPK」と呼ばれる地区に3万8千群体超の小型サンゴが生息していたため、約220メートルで止まっていました。
防衛局は、小型サンゴの移植を今月16日に終えたことから延伸工事に着手しており護岸を410メートルまで延ばす方針です。
一方、JPK地区のサンゴとは別に、すでに造成されているK8護岸の先端から300メートルほどの距離にある大型サンゴなどの移植は県が2月に不許可としています。
防衛局は大型サンゴも移植したのちに延伸工事をする予定だったものの、K8護岸の延伸先にはなく、水の濁りなどをシミュレーションした結果、移植前に護岸工事に着手しても「サンゴに影響しない」と判断しました。
工事に先立ち、沖縄防衛局は予定地の周辺に生息するサンゴおよそ4万群体の移植作業を今月中旬までに終えました。
沖縄防衛局は独自にシミュレーションを行った結果、工事を実施してもサンゴに影響はないと判断したと説明しています。
移設工事をめぐっては、大浦湾側の埋め立て予定区域で見つかった軟弱地盤への対応などについて県と国の激しい対立が続いています。