仏留学の邦人女子大生殺害のチリ人被告が控訴
4月 14, 2022 16:03 Asia/Tokyo
フランス留学中の日本人女子大生殺人の罪に問われたチリ人の被告が、禁錮28年の判決を不服として控訴しました。
日本の報道各社によりますと、6年前、フランスに留学していた日本人の女子大学生の行方がわからなくなり、殺人の罪に問われたチリ人の元交際相手の男が禁錮28年の判決を言い渡された裁判で、男は13日水曜、この判決を不服として控訴しました。
今後は、同じブザンソンにある日本の高等裁判所にあたる控訴院で、陪審制で審理されることになります。
この事件は、筑波大学の学生、黒崎愛海さん(当時21)が2016年に留学先のフランス東部のブザンソンで消息を絶ったもので、元交際相手でチリ人のニコラス・セペダ被告(31)が殺人の罪に問われていました。
フランスの司法当局は、黒崎さんがセペダ被告と一緒にレストランで食事をし、住んでいた学生寮に戻ったあと消息を絶ったことなどを示す状況証拠をもとに、被告が恋愛感情のもつれから黒崎さんを計画的に殺害したとして起訴し、終身刑を求刑していました。
これに対し陪審制の重罪院は被告の計画性を認めたものの、求刑よりは軽い量刑とし、今月12日に禁錮28年の判決を言い渡しています。
裁判でセペダ被告は一貫して無罪を主張していて、判決のあと、セペダ被告の弁護士は「被告本人と相談の上、対応を検討する」との見解を示していました。
この事件ではフランスの司法当局が状況証拠をもとにセペダ被告を殺人の疑いで国際手配し、セペダ被告は事件直後に帰国していたチリの当局から一昨年7月にフランスに引き渡され、起訴されていました。
なお、黒崎さんの遺体はまだ見つかっていません。