米国際政治学者「イスラエルは完全に制御不可能に」
米国際政治学者のジョン・ミアシャイマー氏は、今月1日にイスラエルが行った在シリア・イラン大使館への空爆を「国際法への大きな打撃」としました。
ミアシャイマー氏はニュースサイト「インターセプト」の創設者であるグレン・グリーンウォルド氏とのインタビューで、次のように語りました。
「イスラエルは完全に制御不可能になった。人道支援団体の車列に空爆しているところなどを見れば、彼らがやりたいことは何でもできると思い込んでいることがわかる」
また、在シリア・イラン大使館への空爆について、
「この攻撃は、日頃アメリカが重視している国際法への大きな打撃だ。イスラエルはならず者のように振る舞い、アメリカはそのすべてを擁護している」
とし、
「これはアメリカにとって良いことではない。国際政治全体にとっても決して良くないことだ」
と述べました。
また、イスラエルがイラン大使館を攻撃した意図として、ガザでの敗北に関連があるとし、
「彼らの目的や動機を理解するのは難しい。しかし、ガザや対ヒズボッラーでの戦果が思わしくなく、もがいていると言える。イスラエルに関しては非常に悪いニュースが存在する」
と述べました。
そして、
「彼らは緊張を増大させたいように見える。彼らは泥沼から抜け出したいと思っているからだ。イスラエルは、アメリカをイランとの戦争に引きずり込もうとしている可能性もある。それはイスラエルの長期目標のひとつであり、アメリカにとって好ましいことではない」
と指摘しました。
イスラエル軍は今月1日、シリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館を空爆し、これによりイラン革命防衛隊関係者7名やシリア人複数名が殉教しました。
多くの国がこの攻撃を非難しましたが、アメリカや一部の西側諸国は、国連安保理でイスラエルに対する非難決議の採択を阻止しました。
最新の報告によれば、シオニスト政権イスラエル軍のガザ攻撃により、これまでに3万3000人超のパレスチナ人が殉教したほか、7万5000人以上が負傷しています。
パレスチナのイギリス委任統治時代の1917年に提唱・計画されたイスラエル政権は、さまざまな国からのユダヤ人のパレスチナ移住を経て1948年に正式に樹立されましたが、同地ではそれ以来、パレスチナ人の虐殺および、彼らが所有する全領土の占領に向けてさまざまな大量殺戮計画が実行されてきました。