効果なき欠陥品・イスラエルのアイアンドーム;自軍無人機を攻撃・誤作動で民間人死亡
シオニスト政権イスラエルが占領するシリア・ゴラン高原で同政権の防空システム・アイアンドームの攻撃により複数の民間人が死亡した件について、一部のイスラエルメディアは、同システムの計測ミスが原因だったことを認めました。
パールストゥデイによりますと、アイアンドームが抵抗組織のミサイルや無人機への対処に効果を発揮せず、加えて誤作動を起こしていることは、大問題としてイスラエル政権内で論争を巻き起こしています。 同システムの開発・展開に莫大な費用がつぎ込まれたにもかかわらず起きたこのような問題に、懸念は高まる一方となっています。
イスラエル政権は、アイアンドームがレバノンのイスラム抵抗組織ヒズボッラーおよびパレスチナ抵抗組織のロケット弾を迎撃していると主張していますが、その一方で、同政権の軍事拠点は幾度となくミサイルやロケット弾の攻撃を受けています。この事実は、イスラエル政権の喧伝にもかかわらず、アイアンドームのミサイル迎撃能力が十分ではないことを示しています。
ヒズボッラーは先日、イスラエル占領地内の町ハイファの同政権軍港湾施設やアイアンドームといった占領地内のさまざまな場所を無人機で撮影した画像を公開し、その能力の高さを顕示しました。
この無人機は、被占領地パレスチナ領土内にあるイスラエル政権のディモナ核施設から40kmの距離まで接近し撮影に成功したということで、このことにより、アイアンドームが効果を発揮していないという懸念と批判の声はさらに高まることになりました。
イスラエル政権はこの出来事を受け、高官の1人を解任した他、ハイファにアメリカ製防空システム・パトリオットを配備しました。しかしアイアンドームは、ゴラン高原でも事故を起こし、無能ぶりをさらしただけでなく、複数の民間人を死亡させるという致命的なミスを犯しました。
この件をめぐり、一部のイスラエルメディアは、アイアンドームの計測ミスを認めています。さらに、シオニスト系新聞エルサレム・ポストは、同システムがイスラエル政権軍の無人機のほぼ半数を迎撃するミスを犯していると報じました。
アイアンドームは2021年5月にも、イスラエル軍の戦略的に重要な無人機1機を誤って脅威と認識し迎撃していますが、このような出来事は、同システムに重大な欠陥があることを示唆しています。
退役したイスラエル政権軍元司令官、ヨッシ・ランゴツキー(Yossi Langotsky)氏は、マアリブ紙の記事において、「アイアンドームは効果を発揮しておらず、パレスチナ抵抗組織のロケット弾を防ぐことができないことを証明した」としながら、ガザ戦争におけるこれまでのイスラエルの失敗を挙げて、それらがこの先のイスラエル政権の未来に大きな代償をもたらしうると警告しました。
パレスチナ抵抗組織のミサイル技術が高度になったことで、同組織の占領地内目標への攻撃精度は増しており、アイアンドームの迎撃能力は相対的に低下しています。また、ハッカー集団のアノニマス・スーダンは先日、アイアンドームのハッキングに成功しています。
専門家らは、ガザ戦争においてイスラエル政権が失敗する一方でパレスチナ抵抗組織が成功している理由を、アイアンドームの誤作動や抵抗組織側のミサイルへの対抗力の低さだとしています。そしてこのことは、イスラエル政権が新たな安全保障上の脅威に直面し深刻な課題を抱えていることも示しているのです。