血に飢えるベン・グヴィル:イスラエル治安相の行動に対する批判続く
(last modified Tue, 27 Aug 2024 11:14:49 GMT )
8月 27, 2024 20:14 Asia/Tokyo
  • 血に飢えるベン・グヴィル
    血に飢えるベン・グヴィル

聖地ベイトルモガッダス・エルサレムのアクサー・モスク内にユダヤ教施設のシナゴーグを建設するという、イスラエルのベン・グヴィル治安相の決定が、反対派からの警告的な反応を招いています。

【ParsToday西アジア】アラビア語ニュースサイト「ゴッツ・アル・アフバリヤ」は26日月曜、「ベン・グヴィル氏が新たな声明の中で、アクサー・モスク内にシナゴーグを建設する意向であると発表した」と報じました。それによると、ベン・グヴィル氏は「我々の政策では神殿の丘(アクサー・モスク)での礼拝を許可する。法律はユダヤ教徒・イスラム教徒のいずれも平等であり、私はそこにシナゴーグを建てるつもりだ」と語ったということです。この発言は、イスラエル軍ラジオ・Galatzgaが報じたものです。

これらの発言は、シオニスト政権関係者からも批判を招きました。モシェ・アルベル内相は、ベングヴィル氏の今回の発言を受けて、「ネタニヤフ首相はアクサー・モスクに関してベングヴィル氏を直ちに止めるべきだ」とした上で、イスラエル占領下の聖地ベイトルモガッダス・エルサレムでの紛争の激化について警告し、「ベン・グヴィル氏が後先を考えていないことは流血を引き起こす可能性がある。彼の発言は、我々の対イラン戦略的同盟を危険にさらすものだ」としました。

イスラエル議会の野党指導者ヤイル・ラピド氏もこれに関して、「ベン・グヴィル氏に対しネタニヤフ首相が強く出れない現状は、地域全体が目撃している。なぜなら、ネタニヤフ氏は内閣をコントロールできず、たとえこの(ベン・グヴィル氏の)行動がイスラエル領内の安全を弱めたとしても、ネタニヤフ氏には政策はおろか戦略もないからだ」と指摘しました。こうした批判の声が上がったことを受け、イスラエル首相府は声明の中で、「アクサー・モスクの法的地位に変化は生じていない」と発表しました。

 

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ラピド氏は25日にも、レバノン・ヒズボッラーの司令官の一人ファワド・シュクル氏の暗殺への反撃として実施された対イスラエル作戦の後、「ベン・グヴィル氏は今日解任されるべきだったが、ネタニヤフ首相は制御を失った」と述べました。

パレスチナ・ムジャーヒディーン運動は、アクサー・モスク内でのシナゴーグ建設に関するベン・グヴィル治安相の発言を非難するとともに、これを聖地の大規模なユダヤ化計画の一環だとしました。また。アクサー・モスクに対するイスラエルの継続的な攻撃および、この聖地とベイトルモガッダス市のイスラム的アイデンティティを標的としていることに対するアラブ・イスラム諸国の沈黙を非難しました。

これに関連して、アクサー・モスクの集団礼拝の導師であるイクラマ・サブリ師は、カタール国営衛星通信アルジャジーラとのインタビューで、「ベン・グヴィル氏はアクサー・モスクにおけるユダヤ教徒の権利について主張する理由はない。彼は、自ら主張する数々の計画において失敗し、現在は自分が何か行動しているふりをするために状況を煽ろうとしている」と語った上で、アクサー・モスクがイスラム教徒のものであることを強調し、これへのいかなる接近に関しても警告しました。

イスラエル内閣の閣内不一致が日増しに激化していることは、注目すべきものです。ベン・グヴィル氏やスモトリッチ財務相などの極右派は、パレスチナ人に対する措置を強化したいと考えています。しかし一方で、他のイスラエル当局者は、このような行為は現政権にとって危険であると考えています。

イスラエル・第12チャンネルによると、イスラエル治安機関シンベットのトップ、ローネン・バー長官がネタニヤフ首相に書簡を送り、ベン・グヴィル氏を含む連立内閣のメンバーらが、ヨルダン川西岸のパレスチナ民間人を攻撃するよう直接・間接的に過激派シオニストを扇動したとして批判しました。バー氏は、「ユダヤ人によるテロ」という表現を用いて、過激なシオニスト集団を強く批判したということです。

ベン・グヴィル氏はこの書簡に激怒し、閣議の場を去る前にバー長官の辞任を要求したと言われています。

さらに、イスラエル紙ハアレツも26日付の社説で、ベン・グヴィル氏がイスラエル内閣の過激派・テロ集団の代表者に肩入れしているとして批判し、「これらの代表者は過激派の信念を支持している」と非難しました。同紙は、ベン・グヴィル氏がユダヤ人テロリストを支持しており、治安相としての権力、資源、権限をこの目的のために利用していると断罪しています。

同紙はさらに、「ベン・グヴィル氏が幇助するテロリストは、同氏が所属する組織の軍事的な片腕であり、内閣における彼の利益を代表している」「ベン・グヴィル氏は閣内にいるものの、その信念は閣僚の枠を逸脱しており、もし彼に内閣と自分の信念(=極右主義・カハネ主義)のどちらを信ずるかと選択させられれば、彼は間違いなく後者を選ぶ」としています。

現在48歳で弁護士でもあるベン・グヴィル氏は、2019年から極右政党「ユダヤの力」(オツマ・イェフディート)の党首を務めています。同党は2021年3月の選挙で、国民統一党との連合を組むことで議席を得ました。ベン・グヴィル氏は後に治安相に任命され、占領下のパレスチナ・ヨルダン川西岸でイスラエル境界警察の管轄権を掌握しています。

 

 


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