10月7日が植民地主義者の安泰にもたらした災厄とは?
(last modified Tue, 08 Oct 2024 06:36:56 GMT )
10月 08, 2024 15:36 Asia/Tokyo
  • シオニスト政権イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相
    シオニスト政権イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相

昨年10月7日にハマスが行った対シオニスト攻撃「アクサーの嵐」作戦の最も重要な成果の一つは、地球上最後の旧式植民地支配体制としてのシオニスト政権イスラエルは解体されない、という無敵神話が崩壊したことです。

【ParsToday国際】2023年10月7日は、世界の反植民地主義闘争の歴史の転換点として記録された日です。この日は軍事作戦だけでなく、反植民地主義戦線にとってもますます深い意味を伴うこととなりました。パレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスという反植民地主義抵抗勢力によって開始された「アクサーの嵐」と呼ばれる作戦は、物理的な戦闘を超えて、シオニストによる占領という形で現れた邪悪な支配に対する国民の集団的抵抗を具現化したものでした。この作戦が他と一線を画しているのは、その成果が獰猛な植民地主義者と覇権主義体制の基盤を揺るがすという根幹的な成功です。

 

植民主義からの救済に伴う国民の代償

反植民地運動は、例外なく代償を伴います。この1年間、パレスチナ人は大量虐殺と大規模な難民化という事態に直面しました。さらに、こうした抵抗の結果として4万2000人以上の殉教者、数万人の負傷者を出した上に貧困、飢餓、インフラ破壊も挙げられます。しかし、忘れてならないことは、これらの犠牲が他者に隷属しない自由の実現と植民地主義の終結のために国民が支払う代償の一部であるということです。抵抗組織の指導者らが何度も述べているように、この戦いは「生存」を賭けた戦いでした。つまり、70年間もの間ヨーロッパと西側の移民の占領・抑圧下にあった国民的存在とアイデンティティの維持が目的だったのです。

 

埋め合わせ不可能な失敗

この作戦には大きな戦略的成功がもたらされました。ハマスは軍事・諜報面でイスラエル側に大打撃を与えることに成功したほか、シオニスト政権の軍事的アイデンティティをも破壊したのです。これらの成功は、一時的な軍事的勝利を超えて、イスラエルの権力構造の深い亀裂も暴露する形となりました。アメリカの軍事機材や諜報機関に依存した政権は、西アジアの苦しむ人々への支配の確立を狙い、「アクサーの嵐」に続く行動が及ぼした衝撃により深い亀裂を被り、続いてイエメンやレバノン、イラク、イランからの恒常的な打撃を受けました。

このため、イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、「昨年10月7日以降のシオニスト政権はもはや以前の政権と同体ではなく、これらの打撃は取り返しのつかないものである」と的を得た指摘をしています。

 

世界の覚醒

国際レベルでも、この作戦によりパレスチナ問題が再び世界の注目の的となりました。これまでは世界・地域の大国の一部により、違法なイスラエル政権との関係正常化やパレスチナ問題を例外扱いする工作が行われてきましたが、「アクサーの嵐」により、この問題が再び世界規模の議題に上ることとなったのです。その証拠に、遂にはアルジェリアや南アフリカなどの国々がイスラエルの犯罪をICC・国際刑事裁判所に提訴した他、ヨーロッパからアメリカに至るまでの世界の世論がパレスチナ人の反植民地主義行動を支持すべくデモを起こす事態となりました。

 

数々の成功が奥深く根本的なものであること

「アクサーの嵐」作戦の最も重要な成果の一つは、地球史上最後の旧式植民地主義制度としてのシオニスト政権イスラエルが無敵で解体しないという神話を崩壊させたことです。この大きな動きは、自らを地域の紛れもない権力と自負してやまないシオニスト政権という存在を粉砕しました。この間に公開された数々の動画は世界に対し、75年間にわたって軍事・諜報面や人種的な優位性を主張してきた1つの危険な政権の心理的および軍事的崩壊の有様を示しています。

最終的に、「アクサーの嵐」は単なる成功した軍事作戦ではなく、たとえ最悪の状況下であっても反植民地主義闘争が奥深い抜本的な潮流を巻き起こしうることを示したといえるでしょう。

 


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