シリア政変の黒幕・イスラエル
(last modified Tue, 10 Dec 2024 08:05:54 GMT )
12月 10, 2024 17:05 Asia/Tokyo
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    シリア政変の黒幕・イスラエル

先月27日のイスラエル・レバノンの停戦発効に合わせるかのように、シリアで反体制派勢力が各地で進軍を開始し、アサド政権が崩壊しました。

【ParsToday西アジア】レバノンでは停戦発効後もイスラエル軍による攻撃が続いており、住民の帰還は進んでいません。

そしてそれと時を同じくして勃発したシリア政変では、欧米やイスラエルの支援を得た反体制派組織「タハリール・アルシャーム(HTS)」がアレッポ制圧後、破竹の勢いで各地に進軍し、2週間足らずでアサド政権を崩壊させました。

この背景には、ガザやレバノンで勝利をものにできなかったイスラエルが戦略の見直しを迫られたことがあります。イスラエルはシリアに戦火をまくことで、抵抗勢力の武器供給ルートを断つことを目指しました。

 

抵抗勢力にシリアが果たした役割

アサド政権下のシリアはヒズボッラーやパレスチナ抵抗勢力を支持し、武器供給ルートとして大きな役割を果たしていました。シリア自身も欧米の代理勢力と前線で対決していました。外国勢力が地域に混乱をもたらそうと画策する中で、シリアはこの2つの役割を担っていました。

アサド政権軍の武器庫にはシリア製および外国製の武器がヒズボッラー支援を目的として保管されていました。

 

シリア軍事施設への攻撃

アサド政権下で兵器開発を担っていた研究施設は、以前から繰り返し敵による攻撃を受けてきました。攻撃は空爆による施設破壊や研究員へのテロ殺害といった形で行われました。それはアサド政権が崩壊してからも、イスラエル軍によって継続しています。

 

なぜシリアはイスラエルとの直接戦争を選択しなかったのか?

アサド政権がそれでもイスラエルとの直接戦争を選択しなかったのは、国内の反体制派・武装勢力との対決を抱えていたことが主な理由です。アサド政権は直接参戦しないかわりに、ヒズボッラーやハマスへの武器供給を担うことを選択しました。

実際、ヒズボッラーがイスラエル軍基地を攻撃するのに使った「ファーディー6」はシリアの「ハイバル1」の改良型でした。

 

2年前から続いていたイスラエルによるシリア攻撃

イスラエルは2022年から今年にかけて、シリア国内の防空設備や武器庫を攻撃してきました。例えば先月には、イスラエルはアレッポ郊外にあるアサド政権軍の研究施設を攻撃しました。この施設は武器生産や戦略立案の拠点で、抵抗勢力にとっても重要な場所でした。

 

結論

このように、今回のシリア政変に至るまでにはイスラエルの暗躍がありました。そして、アサド政権崩壊後の今も、ゴラン高原を突破しシリア領に侵攻しています。いまだ新政権の枠組みが不透明な中、イスラエルは着実にシリアを侵蝕しつつあります。

 


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