イスラエル人50万人以上に重度の精神疾患 新たな統計で判明
(last modified Wed, 12 Feb 2025 14:37:30 GMT )
2月 12, 2025 23:37 Asia/Tokyo
  • イスラエル人50万人以上に重度の精神疾患 新たな統計で判明
    イスラエル人50万人以上に重度の精神疾患 新たな統計で判明

2023年10月7日のハマスによる攻撃後、およそ300万人のイスラエル人が何らかの精神的不安定に苦しんでいることが明らかになりました。

【ParsToday西アジア】ハマスによるイスラエルに対する攻撃「アクサーの嵐」作戦は、パレスチナ人の殺害・殉教、アクサー・モスクへの冒涜、占領といったイスラエルの犯罪に対する報復として行われました。この作戦は2023年10月7日にガザとイスラエル占領地の境界地帯で始まって数日間続き、その間に多数のシオニストが殺害、負傷、または拘束されました。イスラエルのメディアは、この作戦を「歴史上前例がなく、イスラエルにとっての大敗北」と評しました。

その後イスラエルは米国の支援を得て、ガザ住民に対する壊滅的な戦争を開始しました。1年3カ月に及ぶ残忍な戦争の挙句、地上介入による人質奪還やハマス壊滅という目標を達成できないまま、ついにイスラエルは先月15日、ハマスとの停戦協定に合意することを余儀なくされました。

こうした中、イスラエル政府監査局は報告書で、2023年10月7日以降、多くのイスラエル市民が危険な健康状態および精神的危機に陥っており、調査参加者の38%が不安や中・重度のうつ病・ストレスに苦しんでいるとしました。

この報告によれば、約300万人の成人イスラエル市民がガザ戦争の影響を受けており、そのうち58万人が重病を患っているということです。

報告書は「問題は疾患者数の増加のみならず、イスラエルの医療制度が必要な医療サービスを提供できていないことも影響している。その結果、戦争による精神・心理面での副次的な症状に苦しむ90万人が、場合によっては診察まで6カ月半かかるなどの理由により治療をあきらめている」としています。

 

イスラエル医療制度の欠陥

報告書ではさらに、イスラエルの医療保健制度が厳しく批判されており、政府が市民の精神衛生危機に適切に対処できなかったこと、そしてガザ周辺の入植地から移送された11%の人を除いて、戦争が始まってから最初の6カ月間、精神的ケアが切実に必要であったにもかかわらず、誰も適切な処置を受けていなかったことが明らかにされています。

 

経済的影響

イスラエル市民の精神疾患は、影響を受けた個人とその家族に暗い影を落とすだけでなく、イスラエル経済にも影響を及ぼしています。この報告書では、適切なタイミングで治療を受けないと慢性的な精神上の問題につながり、患者の就労や生産能力に影響を及ぼす可能性があると警告しています。それは政府にも多大な経済的負担を強いる可能性があり、社会保障の財源をさらに逼迫させるとみられます。

 


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