カタール衛星通信アルジャジーラ;「イスラエルはイランを排除できず」、地域の新たな勢力均衡めぐり
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イランの防衛力公開式典の様子
カタール国営衛星通信アルジャジーラの研究センターが、「シオニスト政権イスラエルは複数の軍事戦線を同時に展開しておきながら、持続的な優位性を確立できなかったと共に、地域大国としてのイランの排除という主要目標も達成できず、以前よりも政治的孤立を深めた」と報じました。
【ParsToday西アジア】アルジャジーラ研究センターは、2023年10月7日以降のガザ戦争の帰結を検証した戦略分析において「パレスチナ側による対シオニスト攻撃『アクサーの嵐』作戦後、イスラエル政権はガザからレバノン、イエメン、シリア、さらにはイランへと戦争の範囲を拡大することで、地域の勢力均衡を自らに有利に持ち込もうと試みた。ネタニヤフ・イスラエル首相はこの戦略を『西アジアの変革』と呼んだものの、イスラエル側の成果は敵を一時的に弱体化させたのみに留まり、持続可能な戦略的優位性には至らなかった」と報じています。
この報道はまた「ガザ戦争はイスラエルの抑止力を回復し損ねたと共に、深刻な安全保障上の弱点を露呈させた。イスラエル側は広範囲にわたる破壊と人道的大惨事を引き起こしたものの、パレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスの完全打倒およびガザ地区の完全掌握のいずれも達成できず、パレスチナ抵抗勢力は依然としてこの戦争の主要勢力であり続けた」としています。
さらに他の戦線についても「レバノンのイスラム抵抗組織ヒズボッラーとイエメンのイスラム抵抗組織アンサーロッラーが損失を被ったものの、この2カ国は再建能力、社会基盤、そして地域における役割続行能力を維持した。この状況は、最大限の軍事的圧力政策がイスラエルの望む抑止力を生み出していないことを示している」と報じています。
この報道の重要部分は「イスラエル政権は戦争を利用してイランに打撃を与えた。だが、イランは2025年に直接的および間接的な攻撃を受けながらも、戦略的知識や主要な能力、そして地域的地位を維持できた」と強調しています。アルジャジーラによれば、この衝突は一連の弱点を明らかにしたものの、地域の勢力図からのイラン排除にはつながりませんでした。
アルジャジーラは最後に、戦争の最終結果はイスラエルのさらなる孤立化、正常化プロセスの停止、そしてより不安定な西アジアの形成だったとし、地域では権力の再分配こそ行われたものの、安定した新体制はまだ形成されていない、と結論付けています。

