イスラエルがパレスチナ人捕虜への性的暴行に訴える理由とは?
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なぜイスラエルはパレスチナ人捕虜への性的暴行に訴えるのか?
エジプト系イギリス人のある政治アナリストが「シオニスト政権イスラエルの刑務所制度では、パレスチナ人に対する性的暴行・強姦は通常犯罪である」と語りました。
2024年7月に、占領地内ネゲブ砂漠にあるセディ・ティマン刑務所でシオニスト軍が捕虜を集団レイプした映像が公開されました。おそらくこのことだけで、ガザにおけるこの占領政権のあらゆる犯罪に匹敵するほど、国際世論における「イスラエル」に深刻な打撃を与えたと考えられます。それは、この恐ろしい犯罪を正当化する余地が全くなかったことが理由であり、イスラエル軍検察官が「セディ・ティマンに関する情報を漏洩した」として辞任に追い込まれる事態となりました。
【ParsToday西アジア】カタール国営衛星通信アルジャジーラによりますと、エジプト系英国人の政治アナリスト、オマール・シャバナ氏は「セディ・ティマン刑務所は、パレスチナ占領強化のために利用されているイスラエルの基地の1つである」との見解を示しています。
また「収容所としても知られるこの刑務所は、イスラエルが強制的に連れてこられたパレスチナ人に最大限の屈辱と恐怖を与えようとする主な手段の一つである」とも述べています。
シャバナ氏によれば、イスラエルの蛮行ぶりは、刑務所内で強姦被害者を差別しないという点で他に例を見ないということです。さらにたちの悪いことに、イスラエル兵は体の一部や無生物を使うだけでなく、動物にそのような行為を仕込み訓練も行っているということです。
この分析においてはまた「イスラエルの拘留施設からは、訓練された犬が使用されているという報告が多数寄せられている。パレスチナ人人質は裸にされ、四つん這いを強いられ、犬に放尿させられ、襲われる。その目的は明白である。つまりそれは情報を引き出すための拷問、筆舌に尽くしがたいほどの屈辱、そして捕虜が釈放された場合の社会に対する精神的・性的トラウマを植え付けることだ」と述べられています。
シャバナ氏はさらに「男性や男児の場合、妊娠による民族浄化や人種浄化は不可能であり、他の拷問方法が存在するにもかかわらず、イスラエルがなぜこのような戦術に訴えるのかという疑問が生じる。パレスチナ人が屈辱を受けている様子を撮影した動画は、シオニスト政権にとって脅迫の手段となる可能性がある。イスラエルは、インターネット上の履歴や不倫の秘密動画を常用し、パレスチナ人を脅迫してイスラエル軍への協力を強要してきた。したがって、刑務所内において性的虐待の動画が同様の目的で利用される可能性があると考えるのは妥当である」と語りました。
そして「占領軍は、性暴力によって捕虜に植え付けられ内面化された羞恥心を通して、パレスチナ人の尊厳を奪おうとしている。イスラエルは、彼らが地域社会で自身を英雄的存在と感じないよう確約するだけでなく、その恥辱が家族にまで広がることを恐れるようにしている。もう一つ強調すべき重要な要素は、これらの暴力がパレスチナ人男性の性的健康に及ぼす影響である。心理学的研究によれば、少年や若い男性への繰り返しの性的暴行は、将来の性的機能に問題を引き起こす可能性がある」とコメントしています。
家族とコミュニティの破壊
この分析はさらに、男性の性的健康を害することの広範な影響として、男らしさの破壊も含まれることを強調しています。男らしさと性的機能・行動を取り巻く社会的な圧力と信念を考慮すると、イスラエルの暴力は彼らのプライドと性的健康を狙うだけでなく、捕虜が既に抱えている多くの精神的トラウマや精神衛生上の問題をさらに悪化させるものです。これらの男性はその後、人間関係を築き、維持し、安全を感じることが困難になると考えられます。成人男性や未成年男子への性的暴行によるパレスチナ人家族の意図的な破壊は、痛ましい日常の現実です。これはまた、自由を求めるあらゆる民族主義運動の弱体化を含む、残酷な目的を孕んだイスラエルの拷問の副作用でもあります。
シャバナ氏はさらに「イスラエル占領地での数十年にも及ぶ性的虐待に関する再三の報告は、その組織的かつ根深い実態を示すだけである」と述べました。
そして最後に結論として「イスラエルによるパレスチナ人への性暴力を暴く取り組みは確実に拡大しているが、今こそパレスチナ人捕虜支援に、より多くのエネルギーと資源を投入する必要がある。西側諸国の機関に対し、ジェノサイドに手を染めている政権との関係断絶を迫ることは、この目標達成のための効果的な方法である。イスラエルによるこれ以上の残虐行為を止めさせることは、我々全員の道義的義務である」と締めくくっています。

